山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

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  • 時事
    3月6日に、「トランプ大統領は金融政策を理解している」と書きましたが、意味が
    分からん人がいるようなので深掘りします

    トランプ大統領が3月2日の演説で、「利上げを好み、量的引き締めを好み、非常に強い
    ドルを好む紳士がFRB内に1人いる」と揶揄した人物は、ほかでもないFRB議長の
    ジェローム・パウエル氏です
    トランプ大統領は、中央銀行の金融引き締め策がドル高を招き、米国経済に悪影響を与え
    ていると度々批判してきました
    FRBは今年1月、2019年に予定していた2回の追加利上げを見送る方針を示してましたが
    トランプ大統領はそれでも気に入らないようです
    金融引き締めのタイミングについては、アベノミクス以降日本でも最重要課題のように
    増税真理教の皆さんが騒いでいます
    日本とアメリカと経済を単純に比較はできませんが、トランプ大統領は、なぜ左派マスコミ
    から無能呼ばわりされるFRB批判を繰り返すのか考えてみましょう

    金融政策というのは雇用政策であるということは、経済学の基本中の基本で、それが分かっ
    てない、或いは認めたくない日本の経済学会は世界から乖離し仲間にも入っていません
    まるで日本だけが別世界にいる有様で、こんな学者たちの助成金は停止すればいい
    のですが、色んな絡みがあり、金主の財務省にへばりついているので、なかなか息の根を
    止めることができません(笑)
    ペンシルベニア大学ウォートン校卒のトランプ大統領は、政治は素人でも、この経済学の
    基本をよく理解しているようです
    彼のよく言う「アメリカファースト」、これも批判の的ですが「アメリカファースト」を
    連呼しだしたのはレーガン大統領です。マスコミは不景気にあえぐアメリカ経済の中
    レーガンのアメリカファースト宣言を取り上げることはありませんでしたが、景気のいい
    今のアメリカ経済でマスコミも調子に乗っているのでしょう、トランプ大統領のアメリカ
    ファーストは、しきりに批判しますし、そういう過去の背景も知らない日本のマスコミも
    同じようにトランプは内向きだと批判しますが、そういう発言は無知から来ています
    トランプ氏のアメリカファーストの中身を見てみると、雇用の確保が最優先に据えられ
    ていることがすぐにわかります
    FRBは『雇用最大化と物価の安定』の「二重の責務」を担っていると、公式に宣言され
    ており、このため、雇用となれば真っ先に矢面に立たされるのがFRBで、これは米国だけ
    でなく欧州でも同じです
    ところが日本で雇用はどうするのかとなると、質問が向かうのは日銀ではなく厚生労働省
    というトンチンカンな話になります。日銀は日銀法を改正されたくない一心で、雇用に
    ついて深く述べませんが、「物価の安定」、「金利の安定」などは‟枝葉“であり、「雇用の
    最大化」「雇用安定」さえできていれば、自ずと物価も金利も安定するのです
    日銀官僚の、ただの言い訳でしかありませんし、日銀法改正を掲げる本田スイス全権大使
    が前回の日銀総裁へ名前が出た時も、そりゃ日銀官僚は慌てふためき、大合唱で黒田氏を
    推薦しました
    物価上昇率が高いときには失業率が低く、物価上昇率が低いときには失業率が高い
    つまり、物価と雇用の関係は裏腹一体のトレードオフにあります
    日銀の仕事は物価の安定のみと子供じみた言い訳をしていますが、実質的に雇用の確保
    の責任を負っているのです

    もっとも、いくら金融政策を行っても失業率には下限があり、その下限は各国で異なります
    日本では2%台半ば程度、アメリカでは4%程度とされていて、その達成のための最小の
    物価上昇率は先進国で似通っており、「概ね2%」
    これがインフレ目標の数値となっているのを知らない国会議員の方が多いのですから
    もう嘆かわしい限りで、そういう人を選ぶ民意と言う民主主義の矛盾は、永遠に解けない
    呪縛のように見えます
    話しを最初に戻し、なぜトランプ大統領が「強すぎるドル」を嫌い、パウエル議長批判を
    繰り返すのか、為替は二つの通貨の交換比率から成り立っています。単純に言えば、円と
    ドルの量で決まるものと考えてください
    もしアメリカが日本よりも金融引き締めを進めると、市場のドルは少なくなり、相対的に
    ドルの価値は上がります(ドル高)
    これは輸出の減少と輸入の増加を招き、結果としてGDPが減少します
    国際金融理論の実務でも有名な「ソロスチャート」にも示されている相関関係ですから
    この辺りの感覚は、肌でわかっている投資家の方が学者よりシビアでしょう
    トランプ大統領は、昨年の米国の年間GDP成長率の目標を3%としていましたが
    2018年はこれをわずかに上回る3・1%という数値に落ち着きました
    9月ごろには、目標値を下回るかもしれないとあって、トランプ大統領は気を揉んでいた
    はずです。国際経済学を理解しているからこそ、口酸っぱく金融引き締めを批判し、GDP
    成長率の押し上げを図っているのです。この点、日本の政治家はサッパリでデフレを容認し
    DPの減速を加速させても知らんぷりでしたから、損害賠償ものの政治活動です
    ある、バカな政治家は、「なんとか国民みんなで不幸を共有し」と‟最低不幸論”を国会で
    述べた人がいましたが、無知に罪悪感が無いから今も立憲民主党でのうのうとしています
    激しい言動が取り沙汰される一方で、意外と理論派なところもあるのがトランプ大統領の
    特徴ですから、今後もトランプ大統領が政府の一員であるFRBに対して、どうモノ申す
    のかを冷静に見ていく必要があります




    | author : 山龍 | 12:02 AM |