山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

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  • 時事
    アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを訪問中の安倍総理は
    20カ国地域(G20)首脳会議の非公式会合で、「公正で持続可能な未来」をテーマに
    演説され、人工知能(AI)やビッグデータの活用で「日本が新時代のルール作りを主導する」
    と発言されました。総理はAIやビッグデータが産業革命以来の大きな社会変革をもたらす
    可能性に言及した上で「一定のルールの下、さらなるイノベーション(技術革新)を
    促していく発想が必要だ」と強調しました
    さらに、中国がハイテク産業育成策「中国製造2025」の下でデータの規制や監視を
    進めていることを念頭に「透明性の高いルールでプライバシーやセキュリティーを確保し
    データの自由な流通を確保すべきだ」と訴えました

    その後、マクロン・フランス大統領と会談。下記は時事通信の記事です


    マクロン大統領、ルノー日産連合の存続を強調 日仏首脳会談で
    [パリ 30日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は20カ国・地域(G20)首脳会議が開幕したブエノスアイレスで安倍晋三首相と会談し、ルノー日産連合(RENA.PA)(7201.T)の前会長カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を踏まえ、同連合を存続させるべきとの考えを強調した。仏政府高官が30日明らかにした。
    高官によると、安倍首相はマクロン大統領に対し、法的手続きに任せる必要があるとの認識を示した。マクロン大統領は「ルノー日産連合を存続させ、連合の安定性を維持すべきとの強い願いを再表明した」という。


    しかし、安倍総理は「政府介入しない」と返答しました


    首相、日産・ルノー「政府がコミットせず」 日仏会談で
    2018/12/1
    【ブエノスアイレス=甲原潤之介】安倍晋三首相は11月30日午後(日本時間1日未明)、フランスのマクロン大統領と訪問先のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで会談した。日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の3社連合の今後について議論した。
    G20に出席した安倍首相(前列右から2人目)とマクロン仏大統領(同4人目)=11月30日、ブエノスアイレス(ロイター)
    日本政府によると、首相は「(3社連合は)日仏産業協力の象徴だ」との認識を示した。今後については「民間の当事者で決めるべきで、政府がコミットするものではない」と強調した。日仏首脳は3社連合が安定的な関係を維持することが重要だという点では一致した。
    会談はルノーの筆頭株主であるフランス政府が要請した。ブエノスアイレスで始まった20カ国・地域(G20)首脳会議の合間の時間を使って短時間の会談を行った。
    現在、ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%をそれぞれ出資。日産側は「不平等」な資本関係を見直したい考えだが、フランスのルメール経済・財務相は資本比率の維持を主張しており、溝がある。



    カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を機に、日産自動車は再度ルノー支配からの
    脱却を試みようとしていると報道していますが、そもそも、日産とルノーの
    不協和音は、マクロン・フランス大統領の「身から出たさび」です
    2015年4月、当時経済相だった37歳のマクロン氏は、政府によるルノー株の
    買い増しという命令を下しました
    国の議決権倍増の是非が問われる同月末の株主総会で、倍増を確実にするための
    工作で、この命令が、ルノー日産連合の日産側に深刻な不信感を植え付けました
    その後8カ月にわたるマクロン氏側と当時日産ナンバー2だった西川廣人現社長との
    闘いが、今日の危機の種をまいたのです

    2015年の決断が「最終的にフランス政府の支配下に組み込まれてしまう」という
    日産側の危機感に火を付けたことを、マクロン氏は認識すべきだと安倍総理は釘を刺しました
    当時、マクロン氏が政府保有ルノー株の拡大に動く前年、当時のオランド大統領は
    「フロランジュ法」を定めていました。これは全上場企業について、株主投票により適用除外
    (オプトアウト)を選択しない限り、フランス政府など長期株主の議決権を2倍にするというものです

    マクロン氏は2014年末から数カ月にわたり、ゴーン氏とルノー取締役会に対し
    翌年4月30日の株主総会でオプトアウトを提案しないよう説得を続けましたが
    ルノー側は首を縦に振りませんでした。政府の持ち株比率は15%、議決権はそれを小幅に
    上回る比率だったため、政府は株主投票で負ける公算が大きかったのです
    そして4月7日の夕方、マクロン氏からゴーン氏に「礼儀上の」電話が入り、仏政府がルノー株を
    4.73%買い増したこと、そして翌朝にはそれを発表し、オプトアウト案を否決に追い込んだ後に
    買い増し分を売って持ち株比率を15%に戻すことを告げたのです
    くすぶりつづけていたゴーン氏とマクロン氏のぶつかり合いが表面化した時でした

    マクロン氏は周囲の警告をよそに事を進め、オプトアウトを否決に追い込み
    フランス政府は事実上、ルノーの「可決阻止少数」株主となりました
    そのルノーは日産株の43.4%を保有して株主総会を支配している現状です
    これに日産側は殺気立ち、取締役会の構成や資本関係などに関する協定(RAMA)からの
    離脱をちらつかせます。離脱すれば自身より小規模な親会社ルノーの株式を自由に
    買うことができるようになり、ルノー支配を覆せる状況を作り出しました
    西川氏は2015年9月3日付のルノー取締役会宛ての書面で「連合の信頼の基礎である
    ルノーのガバナンス、ひいてはルノーの自主的経営に重大な影響が及ぶだろう」と告知しています

    西川氏はルノーに対し、日産の支配株を売却し、日産が保有するルノー株15%の議決権を
    元に戻し、連合に対する支配を放棄するよう求めましたが、マクロン氏のスタッフは当初
    ゴーン氏が振り付けたものだと考えてこれを無視したようです
    3年後の今、ゴーン氏は逮捕されましたが、日産は再び同様の要求を突き付けます
    マクロン氏がルノーと日産の完全合併を求めて圧力をかけたことも、逮捕劇の数カ月前から
    日本政府を警戒させていました
    両社と三菱自動車の首脳は29日夜、今後の連合の在り方を協議し、「現存のままの3社連合
    を維持する」とコミットしましたが、これは通り一遍のコメントと市場も理解した様子です
    主導権を何が何でも握りたいマクロン氏は、すべてを読み間違え、自ら墓穴を掘ったのです

    日産が連合を離脱する可能性を巡り緊張が高まっていた2015年末、フランス政府は大半の
    非戦略的決定に関してルノーの議決権を18%に制限することに合意しています
    マクロン氏が支持したこの「安定(マクロン氏いわく)」合意には、ルノーが日産の株主総会で
    取締役会に反対しないとの拘束力のある約束まで盛り込まれています
    これは主導権争いの致命的なハンデです
    ルノーは主要な資産に対する権利を放棄したも同然で、フランス政府やマクロン大統領も
    近いうちに交渉力が損なわれたことに気付くでしょうが、既に、もう手遅れです
    連合のパワーバランスは既に覆され、いつまでもマクロン氏が我を通せば、逆に日産が
    ルノーを買収することになりかねません
    ゴーン氏逮捕後に書いた通り、すでに日産の完勝で決着しているのです

    当時のマクロン氏の判断について、マクロン氏が大統領選をにらんで政党「共和国前進」の
    立ち上げ準備を進めていた時期にあたります
    EUでは、メルケル氏がレイムダックになり発言力が増した格好のマクロン氏ですが
    基本、マルキストの左巻きですから、理屈は立ちますが交渉はできません
    今回の件で汚点を残さないよう進言したのは、安倍総理の情けでしょう
    それと、今回の件で「ダメな日産」に逆戻りか?と言うような報道がなされていますが
    ダメな日産の原因のひとつに、当時の日産は通産省(現経産省)の天下りが横行し
    下らない官僚体質に陥り、何も決められない体質が不良債権の増大を生みました
    今回の件でも経産省の官僚がウロチョロしていますが、恩を売って天下り先確保などという
    手法を夢見ているなら、すでに官邸と内閣人事局が目を付けているのをお忘れなく(笑)
    とり過ごしかもしれませんが(笑)





    | author : 山龍 | 12:00 AM |