山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

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  • 時事
    今日はとりあえず下記の石破応援団の記事をご覧になってください
    個別の注釈は明日にします(笑)(突っ込みどころが多すぎて(笑))




    石破ビジョンで日本経済はどうなる?
    <日本経済の現状についてほぼ完璧に把握しているといってよい石破氏でさえ、それに対する明確な処方箋は示せないという事実>
    9月20日に投開票が行われる自民党の総裁選は、安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなった。安倍氏はこれまでの実績を全面的にアピールする一方、石破氏は「いつまでもカンフル剤に頼ることなく、処方箋を考えることが必要」として、アベノミクスとは異なる路線を主張している。
    選挙戦は当初から安倍氏が有利とされているが、仮に石破氏が首相となった場合、経済はどのように推移するのだろうか。石破氏が掲げる政策から予想してみた。
    石破氏のアベノミクスに対する理解は100点満点
    石破氏は総裁選への出馬にあたって、自らの政策である「石破ビジョン」を提唱したほか、7月に「政策至上主義」という著書も出版しており、これらが石破氏の政策の中核となっている。
    全体を通じて、石破氏の誠実な人柄がにじみ出ており、政治家としての信念もよく理解できる内容であった。また日本経済の現状に対する石破氏の分析は非常に明晰で、アベノミクスという政策についても、ひょっとすると安倍氏自身よりもよく理解しているのではないかと思えるほど的確な説明を行っている。
    石破氏は、アベノミクスについて「大胆な金融緩和と機動的な財政出動という、いわば短期的なカンフル剤によりデフレ脱却を実現し、さらに経済を温めることで時間を稼ぎ、その間に規制改革など経済構造改革を断行して潜在成長率を高め、中長期の成長エンジンに点火するというものです」と述べている。
    このような言い方は首相候補の人物に対して失礼かもしれないが、石破氏の説明は教科書的にほぼ100点満点の内容といってよく、自他共に認める政策通であることをあらためて認識させるものであった。
    また日本経済の現状についても、アベノミクスの円安によって輸出企業の業績は伸びたものの、実質的に売上高は伸びておらず、その結果として賃金も上がっていないと明瞭に分析。また、失業率が低下している最大の要因は、高齢者の増加と若年層人口の減少であると指摘している。
    売上高が増加しない中で企業が利益を上げているのはコストを下げていることが原因であり、コスト削減は短期的には効果があるが、国民の所得が増えないので長期的にはマイナス要因になるという。
    この説明についてもまったくその通りであり、付け加える点はない。石破氏は日本経済の現状について、ほぼ完璧に把握しているとみてよいだろう。
    地方が独自に稼げるようにすれば日本経済は底上げされる
    完璧な現状認識を前提に、どのような具体策が打ち出されるのか非常に期待されるところだったが、石破ビジョンで提唱された「ポストアベノミクスの展開」の内容を見ると、少しばかり雲行きが怪しくなってくる。「デフレに後戻りしないマクロ経済政策」「財政規律への配慮」といった文言が並んでいるが、核となる政策が提示されていないという印象が拭えない。
    政治家は実務家ではないので、公務員やコンサルタントのように事細かに政策の具体例を説明する必要はない。総裁選というのは「まつりごと」であり、選挙の結果が出る前から、細かい政策にコミットするのは得策ではないということもよく理解できる。
    しかしながら、多少、抽象的でも構わないので、一本スジの通った新しい経済政策を示して欲しいというのは、多くの有権者が期待していたことであり、こうした道筋が示されなかったのは少々残念だ。
    金融緩和と財政出動というカンフル剤を使える時間は限られており、その間に、本質的な改革を行う必要があるという部分については、明確なメッセージが伝わってくる。だが具体的な施策として大きく取り上げられているのは、石破氏の得意分野でもあった地方創生のみであった。
    著書では、日本は都市国家とは異なり、自然条件に恵まれた地方都市がたくさんあると主張している。各地方がそれぞれ独自の方向性を明確にし、それぞれがしっかり稼げる仕組みを作れば、日本経済は一気に底上げされるというメカニズムを想定しているようである。
    地方創生が重要な政策であることに異論を挟む人はほとんどいないだろう。だが地方創生がそのまま、現状を打開する経済政策になるのかという点については疑問視する人が多いのではないだろうか。
    量的緩和策の修正は正しい行為だとしても株価を下落させる
    こうした状況を踏まえた上で、もし石破氏が首相になった場合、どのような経済政策が実施されるのか、現時点で得られる情報を元にシミュレーションしてみた。
    石破氏は量的緩和策や財政出動について、カンフル剤であると明確に位置付けているので、半永久的にこの政策を続けるという選択肢はないだろう。日銀はすでに量的緩和策の出口を模索しているが、石破氏が首相になれば、何らかの形で軌道修正が行われる可能性が高い。
    際限のない貨幣供給はストップすることになるので、予想外のインフレが発生するリスクは軽減できるかもしれない。だが現状の日本株の水準は、安倍政権が量的緩和策に対して、引くに引けない状況となっていることが大前提となっている。
    量的緩和策の見直しがいいことなのか悪いことなのかという判断とは別に、軌道修正が行われた場合、株価は下落する(あるいは伸び悩む)可能性が高く、為替も一時的には円高に振れることになるだろう。そうなると輸出企業の業績も悪化し、短期的には日本経済に逆風となる可能性が高い。
    こうした状態に陥ると、日本経済の現状においては真っ先に地方が影響を受けることになる。石破氏は地方重視なので、地方が一気に疲弊するという状況を放置できないだろう。そうなってくると、年月を限定した上で国債を発行し、地方を中心に財政支援を行うという施策が現実味を帯びてくる。
    財政拡大と増税の可能性が高い?
    これによって経済は一息つくかもしれないが、問題はその後である。これまで地方創生は形を変えて何度も実施されてきたが、多くは単なるバラマキと財政支出の拡大に終わっている。石破氏が主張する経済政策を実施するためには、バラマキではなく、本当の意味で地方を変えるための施策が必要となる。
    もし石破氏がこの間に有効な地方創生策を打ち出せなかった場合、財政が再び肥大化するリスクが高まってくる。
    石破氏は放漫財政について許容しない可能性が高く、そうなると、財政の悪化を食い止めるためには、増税というオプションを行使せざるを得なくなる。もしこのパターンになった場合、旧来の自民党政治の復活ということになり、結局は、財政問題と国民負担という振り出しの議論に戻ってしまう。
    もっとも筆者は、安倍氏が3選され、量的緩和策が継続となっても、最終的な着地点は大きく変わらないとみている。このまま過度な緩和を続ければ、いつとは明言できないが、どこかのタイミングで金利が上昇し、インフレに転じる可能性が高いからである。
    もしインフレを抑制するため、金利を引き上げれば、結局は緊縮財政を余儀なくされ、財源確保のため増税を検討せざるを得なくなる。逆にインフレを放置すれば、政府債務のGDP比は低下するが、預金者の資産は減価し、実質的に預金者から税金を徴収したのと同じ結果になってしまうだろう(いわゆるインフレ課税)。
    石破氏は著書で「国債は日本人が引き受けているのでいくら発行しても大丈夫」という議論について「魔法の杖はない」と喝破しているが、先にも述べたように、日本経済に対する明確な処方箋を示すことはできていない。
    自民党きっての政策通である石破氏が具体的な解決方法を示すことができなかったというこの事実こそが、今の日本が抱える問題の深刻さを示している。


    | author : 山龍 | 12:53 AM |