山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

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  • 今年のアベノミクス2018
    今回の米朝会談を下交渉なし・落としどころ無しのガチンコ会談と捉えれば
    米朝のトップ同氏がサインした今回の共同声明は、まずまずと評価すべきです
    もっとも、これは、政治的な第一歩であり、今後の実務的な協議が重要であることは
    いうまでもありません

    日本の立場で言えば、日本はそれなりに米朝首脳会談に絡んだ、と言えます
    北朝鮮問題の核心である朝鮮戦争の当事国は、アメリカ、北朝鮮、中国です
    日本や韓国は、直接絡める術がありませんでしたから、安倍-トランプラインを活用し
    拉致にまで普及したのは上出来でした
    過去、国際的には拉致問題というのは、日朝の個別の問題とされており
    今回の声明で、国際問題に格上げされた功績は大きいのです
    日本や安倍総理が「蚊帳の外」にあると主張してきた人は、日朝首脳会談の話題が
    上っている今頃、どんな反応しているのでしょうか(笑)
    日本だけがはしごを外されているという批判をしていた人たちは
    大体が「(強硬派の)ボルトン大統領補佐官は、米朝首脳会談から外されるだろう」と
    言ってましたが、この前のブログに写真を張り付けたように、ふたを開けてみれば
    ボルトン大統領補佐官は、拡大会議の米側4人の中にしっかり入っています

    いずれにしても、安倍総理はトランプ大統領にとって欠かせない日本の政治家で
    あることがハッキリわかったG7から米朝会談でした
    トランプ大統領が記者会見で「安倍総理から正しいことを教えてもらった」とまで
    言い切ったというのは歴史的ですらあります
    日本の政治家を見渡しても、これほど経験豊富で各国要人とのパイプが強い人物が
    安倍総理以外にいないのも事実です
    日本の最重要課題である拉致問題についても、トランプ大統領が提起し、拉致問題は
    人権問題でもあり、アメリカも北朝鮮を相手に厳しい姿勢を見せるための「渡りに船」の
    問題です

    かつての6ヵ国協議では、拉致問題はほとんど顧みられることはありませんでした
    今回は、アメリカがこれに触れたこともあって、日本にとって大きな勝負所となっています
    振り返ると、2002年9月と2004年5月に日朝首脳会談が行われましたが、当時の
    外務省事務方が努力したのは言うまでもないことですが、なぜ北朝鮮が日本に接近
    してきたかといえば、そのときもアメリカの圧力があったことが明らかになっています
    2002年1月には、ブッシュ大統領が一般教書演説において、北朝鮮、イラン、イラクを
    名指しして「悪の枢軸(axis of evil)」と猛烈な非難を行いました
    イラクへはその後攻撃を仕掛け、イラク戦争が勃発しました。その当時、今回話題の人物
    となったボルトン大統領補佐官は、国務長官として「打倒・悪の枢軸」の中心人物でした
    北朝鮮は、このアメリカの圧力を受けて日本に助けを求めてきた、というのが過去の
    日朝首脳会談実現の背景にあったのです
    今回もそれと似た状況で、北朝鮮は圧力をかけないと動かない国ですが
    実際に圧力があると必ず反応する国でもあります(笑)

    有名な話ですが、2002年9月の日朝首脳会談の午前中、北朝鮮からの謝罪はなしで
    「拉致被害者8人死亡、5人生存」というメッセージが伝えられました
    その後、会談の休憩時、日本側の部屋が北朝鮮に盗聴されていることを知りながら
    小泉首相に同行した当時の安倍官房副長官が、「北朝鮮が拉致を認め謝罪をしないのなら
    会談を蹴って帰国しよう」と強い口調で発言したら、午後の会議で拉致を急に認め
    謝罪したというのは公開文書で明らかになっています

    今回、金委員長はトランプ大統領に、拉致問題を従来の主張通りに「解決済み」とは言わず
    オープンに話しあう用意があると伝たわっています
    その後、北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、「すでにすべて解決した」とする論評を
    出しましたが、これはいつもの北朝鮮の戦術ですから無視していいでしょう
    北朝鮮と言う国は、トップの発言しか本当の意味をもたないからです
    ただ、ハッキリ言って拉致問題の解決というのは、本当に難しいのです
    すべての情報は北朝鮮側にあり、日本が持つ情報は無しに等しく、日本としては具体的に
    できることが実際に限られています

    安倍首相は、日本の政治家では拉致問題にもっとも精通している政治家です
    米朝首脳会談後に、拉致被害者らに対して「これからは日朝の問題としてやる覚悟である」
    と言われました
    北朝鮮は、拉致被害者あたりいくら取れるか、という狡猾な考えで進めるでしょう
    日本から見れば、盗人猛々しく、罪を犯した方がカネをせびる、というのは到底
    認められないプロセスです
    また、非核化のプロセスでも日本がその負担をすべき、トランプ大統領の会見でも
    日韓が負担するだろうとありましたが、これも日本として、非核化を実施する国際機関など
    へカネを出すのは当然ですが、北朝鮮へはビタ一文も出せないというスタンスで居ます

    いずれにしても「カネはあるが、軍事オプションのない日本」は、拉致問題の解決への道は
    いばらの道であることは間違いなく、過去の例から言えば、北朝鮮への圧力は継続して
    行わないとダメで、となると北朝鮮の厳しい経済状況につけ込むのが得策だろうとなります
    そのためには、米韓との協力も欠かせないのですが、韓国にはアメリカ同様に経済的圧力を
    かけながら進めなければ、慰安婦問題など持ち出してくるのに決まっています
    今、こうした議論をこそ日本のメディアや政治家は真剣にすべき時ですが
    報道は「日朝首脳会会談の日程がいつになるか」に焦点が当てられ、様々な憶測が
    流れたり、相変わらずモリカケを報道したりで、日本の国益につながるとは到底思えない
    無意味な時間が過ぎています
    もう少し冷静で、かつ現実的な議論やものの見方をすべきです



    | author : 山龍 | 12:01 AM |