山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

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  • 時事
    【昨日に続き】

    一般的に銀行は預金を使って、長期で、流動性が低く、リスクが高い投資に資金を供給
    することで、すぐに引き出せる預金に安全なリターンを提供できると思われてますが
    それは過去の話で、現代では往々にして間違いが起きます
    「短期の負債を長期の資産に返還する」。つまり、短期で借りて長期で貸す機能は
    満期返還と呼ばれます。預金者から安全とみられている預金を‟創造“して
    リスクを伴う融資に変換する機能は「リスク返還」となり、銀行は満期とリスクの変換を
    組み合わせます
    これが銀行と言う職種を特別な存在にしている源泉です
    さらに、預金はいつでも払い戻して貨幣で支払いに充てることができます

    価値が安定している銀行預金、つまり貨幣を流動性が低くリスクが高い投資に転換させる
    のが、「貨幣と銀行の錬金術」とよばれるものです
    ボクが生きている間だけでも、度々起こってきた銀行や金融危機と言う変動が繰り
    返されても、この「貨幣と銀行の錬金術」は信じられています
    多くの経済学者やエコノミストは、「貨幣と銀行の錬金術」が如何に機能しているのかを
    説明するのに、巧妙な嘘で構築した理論を使い、「銀行の資産と負債の間には特別な
    相乗効果がある」ような‟ニュアンス“で、わかったようなわからないような
    言い回しをしてきました
    その考え方のベースは、「リスク返還は可能」かもしれないという考え方です
    メガや地銀などは、リスクが相関しない大量の貸し出しに分散できると言うのです
    個別に融資が焦げ付いても、全体が劣化することは無く、融資のポートフォリオ全体では
    大きなリスクは発生しないと言います

    しかし、過去の銀行危機を見る限り、そのような言い回しは偽善です
    そうであれば、公的資金を注入される銀行など出るわけもなく、銀行は退屈なくらい
    簡単に利益を生み続けるはずです
    平時であれば、一部の企業や家計が破綻し融資が焦げ付いても、他の利益で埋め合わせ
    できるでしょうが、これから予想される有事やバブル崩壊、海外の金融危機の連鎖
    外為ショックなど、経済が揺れる時に現代の銀行は企業と命運を共にすることとなります
    そうした不確実性が高くなったため、銀行の資産価値は不確実で変動しやすいものとなりました
    第二次世界大戦以降、銀行システムで発生した巨額損失の多くは、経済のリセッションに
    よるもので、その対象はほとんどが不動産融資です

    これから就職を考える学生は、企業のバランスシートの見方くらいはマスターし
    就活対象銀行のバランスシートを見て、不動産融資に偏重している銀行は経営が
    持たないと考えるべきでしょう。不動産は名前の通り「不動資産」ですから
    リセッション時には買い手がつきません。買い手がつかないということは
    担保としてレバレッジがかかりすぎているのです
    今日明日の危機ではありませんが、過去の歴史を振り返ればそういう事になります


    | author : 山龍 | 12:00 AM |