山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

2017年12月   <<前月 次月>>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
     
  • 今年のアベノミクス
    今回のトランプ大統領の訪日では、安全保障問題で、日米の同盟関係の強固さを
    対外的に印象付けるのが目的であるので、経済面の子細については
    日米で議論していません
    トランプ大統領の顔を立て、アメリカが日米FTAを持ちだしたときには
    それに応じてもいいし、韓国の出方によっては日米韓FTAをやろうと応じてもいいのです

    北朝鮮や中国に対抗する概念は「自由」です
    その最たるもののひとつが「自由貿易」で、トランプ大統領は「保護主義的」と
    報道されていますが、それは発言と行動を精査できないマスコミが作った虚像で
    本質はビジネスマンですから、TPPのような多国間自由貿易は否定していません
    多国間、という点に不満があり、多国間となればホワイトハウスの力が見せられないのと
    オバマがすすめたという点で不満なのです
    アメリカ大使館は日米FTAを望んでいて、日米FTAでもTPPを交渉スタートとすれば
    日本の国益は確保できますが、肝心のアメリカ側の交渉担当が未定という状態ですから
    交渉のターゲットを中国に絞り、なんなら韓国も加えて、日米韓FTAを
    テーブルに上げるという筋書きが現状です

    先日、河野前自民党総裁(河野外務大臣のお父さん)が、「安倍総理は中国が
    嫌がることしかしていない、頭がおかしいんじゃないか」という発言がありましたが
    まさにその通り(笑)
    では、中国が日本が嫌がること以外に何かしてくれましたか?と聞きたいくらいです
    現代の自由貿易園の裏側には、軍事同盟にちがいニュアンスがあります
    この際、北朝鮮、さらには中国とロシアへの経済的な圧力という意味もこめて
    日米韓FTAはいいアイディアとなりますが、韓国の腰の据わらない政権を見ると
    まるで日本の民主党政権時のようで、あてになりそうにありません
    これで日米韓が結束すれば、軍事的も同方向で障害はないのですが...




    この表は、今年9月までのアメリカの貿易赤字の各国が占める割合です
    アメリカの赤字の根源は圧倒的に中国の問題であることが見て取れます
    日本に対する貿易赤字は、中国、EU、メキシコの次いで4位
    バブルの頃とはずいぶん様変わりしたものです
    日米韓FTAは、長期的に見ても、中国の覇権主義に対抗できます
    ここに、オーストラリアやインドが加われば、他のアジア諸国も追従するでしょう

    二期目に突入しさらなる覇権主義をあらわにする習政権とどのように対峙すべきかは
    アジア諸国の最重要課題です
    先日の中国共産党大会で、党の最高規則「党規約」の改正や最高指導部メンバーなど
    重要事項を決めた中に、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を
    行動指針として明記することになり、「習近平思想」という簡潔な文言ではなかったものの
    「習近平」という名前が入ったことで、「毛沢東」と並ぶ権威となったとみるべきです
    中国は共産党一党独裁であり、共産党規約は憲法の上位になっているという
    訳の分からん「最高規範」です
    そこに、個人思想をいれるとは驚くというより、呆れてものが言えません
    そのうち、中国へ進出している外国企業の定款に習思想を取りいれろという
    指導が出るだろうとも予想され、今の日本の憲法議論で、既在の自衛隊の法的位置づけを
    憲法に盛り込むという程度で揉めている民主主義国家とは、まったく次元の違う話です

    今回の共産党大会では、マスコミが競馬の予想屋のように”チャイナセブン“の
    予想をしていましたが、すべてのマスコミ予想や識者予想は外れ
    次期指導者は今回の高指導部メンバーではみえませんでしたから
    習近平氏の独裁による共産党独裁が当面続きます
    こうしたことをやる独裁的国家に対して、日本を含めアジア諸国はどのように
    対峙すべきかを考えると、政治的な独裁は、自由で分権を基調とする資本主義経済とは
    長期的には相容れることがないのは、ノーベル経済学賞学者フリードマンが
    50年以上も前に説いていますから、対中政策は、5年、10年、20年と三段階くらいの
    スパンで戦略を考える必要があります
    ここまでの10年スパンで見れば中国は経済成長しているように見えますが
    脱工業化に達する前に中国は消費経済に移行してしまったため
    一人あたりの所得が低いうちには高い成長率になるものの
    結局、先進国の壁を越えられないでしょう
    よく見られる開発経済で行くところまで行ったら終わりというパターンだと思います
    それが正しければ、次の10年スパンで成長が行き詰まる可能性が非常に高く
    実際は中国もこの点を認識しているようで、最強国を目指すと言いながらも
    中国の国外に活路を見いだしています

    それが、AIIBを梃子とする「一帯一路」構想で、中国指導による経済圏を
    中国国外に広めようとするものです
    この経済圏は、先進国の自由貿易圏とは違ったルールに基づくもので
    日本を含む自由主義国にとっては国益になりません
    日本がこれに対抗するためには、AIIBとは別機軸の自由貿易圏が必要になります
    自由貿易圏と中国指導貿易圏では、自由主義と規制主義でどちらかが
    経済パフォーマンスがいいのかを説き、自由主義には欠陥はあるが
    それを補正すれば国防の観点も含め長期的には優れているということを
    世界に発信し続けることで、アジア諸国は自ずと自由貿易圏で固まるでしょう
    資本主義体制と社会主義体制の間の体制間競争では、欠陥はあるが長期的な
    経済パフォーマンスは資本主義が優れていたのと同じで、冷戦構造でソ連が
    崩壊したのは自明の理です

    北朝鮮問題や慰安婦問題で国際社会の信用を落としている韓国は
    左巻きで新北の文政権が「日本は同盟国ではない」などと現状の韓国が置かれている
    立場や状況を理解していない発言をしていますが、韓国は日本と寄り添い
    自由貿易圏に残るか、親中政策を進め中国指導貿易圏に入るかしか選択肢はなく
    いくら日本が嫌いでも国防の観点から自由貿易圏を選択するでしょう
    その自由貿易圏の核となるために、日米韓FTAが大きな貢献をするわけですが
    このトランプ大統領訪日、訪韓でのタイミングで、こうしたことが話し合われたかどうかは
    後々になれば結果が証明します


    | author : 山龍 | 12:01 AM |