山龍ブログ - 誰にも文句言わせへんで!コラム

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  • 時事
    6月4日のブログに張り付けた、財務省の財政制度審議会の続きです

    笑えるところが満載ですね
    出来レースで道化の集まり(笑)




    財政制度分科会(平成29年5月10日開催)議事録
    財政制度等審議会 財政制度分科会
    議事録
    平成29年5月10日
    財政制度等審議会
    ________________________________________
    財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第
    平成29年5月10日(水)13:30~15:35
    第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)
    1.開会
    2.文教について
    3.地方財政について
    4.社会資本整備について
    5.閉会
    出席者
    分科会長代理 田近栄治 三木大臣政務官
    杉大臣政務官
    福田主計局長
    可部次長
    藤井次長
    茶谷次長
    角田総務課長
    青木法規課長
    江島主計官
    安出主計官
    中島調査課長
    八幡主計企画官
    竹田官房参事官
    小宮主計官
    泉主計官
    奥主計官
    阿久澤主計官
    廣光主計官
    岩元主計官
    中山主計官
    内野主計官
    委員 遠藤典子
    倉重篤郎
    黒川行治
    角 和夫
    武田洋子
    竹中ナミ
    土居丈朗
    永易克典
    藤谷武史
    宮島香澄
    臨時委員 秋池玲子
    井堀利宏
    老川祥一
    大槻奈那
    葛西敬之
    加藤久和
    喜多恒雄
    小林慶一郎
    小林 毅
    進藤孝生
    末澤豪謙
    十河ひろ美
    田中弥生
    冨田俊基
    冨山和彦
    増田寛也
    神子田 章博
    宮武 剛
    ________________________________________
    午後1時30分開会
    〔 田近分科会長代理 〕 定時になりましたので、会議を始めさせていただきます。
    本日は冒頭にて、カメラが入りますので、そのままお待ちください。
    (報道カメラ入室)
    〔 田近分科会長代理 〕 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。
    本日は、前回の社会保障に引き続き、「経済・財政再生計画」において定められた主要な歳出改革分野である「文教」、「地方財政」、「社会資本整備」を議題としております。
    では、報道関係の方はご退室いただきたいと思います。
    (報道カメラ退室)
    〔 田近分科会長代理 〕 それでは、本題に入りたいと思います。まず始めに、奥主計官より文教についてご説明をお願いします。
    〔 奥主計官 〕 文教予算を担当しています主計官の奥でございます。よろしくお願いいたします。私のほうからは、「資料1 文教」と書かれた資料に沿ってご説明をさせていただきます。目次を開いていただきますと、大きく分けまして2つのテーマがございます。1番目は「教育支出の現状」ということで、教育の無償化に関連するような公財政教育支出の話、それから2番目に「高等教育~大学改革の促進」として、教育の供給側の大学改革の促進についての話、これらのテーマに沿ってご説明申し上げます。
    1つ目のテーマ、「教育支出の現状」をご説明します。まず2ページは、公財政教育支出を在学者1人当たりのケースに直しまして、それと租税負担率の関係を見たものでございます。丸印のところにありますように、日本は、他のOECD諸国と比較いたしまして租税負担率は低水準にあるものの、在学者1人当たりの公財政教育支出の対GDP比はOECDの平均を上回る水準にあるということがご覧いただけるかと思います。
    3ページ、これは公財政教育支出の対GDP比と租税負担率の国際比較を別の観点から行ったものでございます。ここで言う公財政教育支出の数字は在学者1人当たりではなくマクロの数字を用いております。租税負担率と合わせてご覧いただきますと、スウェーデン、イギリス、フランスといった国々は、公財政教育支出の対GDP比の値は高いですけれども、同時に租税負担率も高い水準にあります。この2つは高い相関関係にあり、日本は、よく言われますように、公財政教育支出の対GDP比は低い数字ですけれども、これを引き上げるということであれば、やはり横軸、すなわち租税負担率の議論が避けられないのではないかということでございます。
    続いて4ページです。こういった公財政教育支出の現状の下、様々な教育費の負担軽減の議論が行われておりますけれども、各教育段階、すなわち幼稚園、小中学校、高校あるいは大学の各段階においてそれぞれ起きている現象は違っておりますので、どこの教育段階の話なのかということをきちんと意識して議論する必要があると思います。
    例えば、4ページに沿って申し上げますと、幼児教育におきましては、政府としても骨太の方針などで、財源を確保しつつ無償化を段階的に推進していくということが方針として決められており、現在進行中でございます。次に小中学校につきましては、ご存じの通り、授業料は取っておらず、無償でございます。高等学校につきましても、公立高校は、一定の所得制限はありますけれども、授業料は無償化されておりますし、私立高校に通う方に対しても、低所得の世帯の方々には支援金をかさ上げして支援しているところでございまして、高校の段階におきましても無償化が概ね実現している状態にあると思います。次に高等教育、すなわち4年制の大学、短大及び専門学校が対象となりますが、後ほども言及いたしますけれども、公費負担よりも私費負担の割合が高いという現状でございます。公的な支援としては、低所得の世帯の方々に対する支援を2本柱で重点的に行っております。2本柱と言いますのは、一つは奨学金、もう一つは授業料減免措置でございまして、ご案内の通り、今年度から給付型奨学金の創設など、各種の支援施策が充実してきているところでございます。このように概観していただきますと、幼児教育につきましては、無償化を段階的に推進しているところであり、小中学校及び高校につきましては、無償化はもう既に完成しているということ、高等教育については、先程申し上げましたように、支援を重点化していっている状態にございます。
    続きまして5ページですが、これは、ライフサイクルの中でどの時期における教育投資に最も高い収益率があるのかということについての海外の研究事例をご紹介するものでございます。そこにありますように、就学前の教育や初等教育など、ライフサイクルの比較的早い時期における投資効果が大きいという先行研究がかなり有力なものとして存在します。ただ、2つ目のマルに書きましたように、これは、特に幼児教育が普及する前に著しくそのような傾向が見られるのであって、幼児教育が普及するに従ってその限界的な効果は漸減するのだといった指摘をする研究事例もございますので、同時に紹介させていただきました。
    そのようなことを背景に、6ページに先程も少し言及いたしました幼児教育無償化の現在の進捗状況についてご説明するための資料をつけてあります。右側の図をご覧いただきますと、まず上から下に行くにつれて世帯の収入は増えていく。すなわち、一番上が生活保護世帯であり、次の第 階層が市町村民税の非課税世帯で、それぞれ第1子、第2子、第3子以降といった具合になっております。緑色が公費で負担している幼稚園の保育料を示しています。白抜きになっているところが親御さんの負担として残っている部分ということであります。政府の方針としては、先程財源を確保しつつ段階的に推進していくということを申し上げましたけれども、低所得の方々であって、かつ多くのお子さんを抱えておられる多子世帯から順に、優先的に無償化を実現していく。そのような方針で段階的に無償化を進めているところでございます。
    例えば、平成29年度予算で行ったことは、第 階層、市町村住民税非課税世帯のうち、第2子のところに「無償化」と書いてあり、横に「平成29年実施」とありますが、これまで市町村民税の非課税世帯に関して、第3子以降は無償化を実現していたところ、平成29年度予算で第2子の無償化が実現したということです。このように、財源を確保しながら毎年度、無償化を段階的に進めており、白抜きで残っている部分が、親御さんのご負担として残っている部分です。以上が、「幼児教育無償化の段階的推進の現状について」でございます。
    それから、小学校・中学校、高校につきましては、先程申し上げましたように、授業料はほぼ取らないという制度が完成しているということであり、次に高等教育段階が問題になります。7ページに高等教育段階における公的な経済負担軽減の支援をまとめてございます。上が世帯年収の合算値でありまして、右へ行くほど高収入になっています。先程申し上げました2本柱のうち、1本目は授業料減免措置であり、例えば国立大学ですと、世帯年収が300万円以下の世帯の学生に対しましては、授業料を全額免除するといった措置がとられている国立大学がほとんどであると承知しております。
    それから、2本目の柱である奨学金ですが、青色が無利子の奨学金、橙色が有利子の奨学金です。高校での成績が5段階評定の平均値3.5、これはB評定を意味しますけれども、これ以上であれば無利子の奨学金をもらえる権利を持っているという仕組みになっております。それから、今年度から先行実施されましたけれども、斜線が入っておりますように給付型奨学金という制度がございます。これも低所得、非課税世帯であって、かつ無利子の奨学金よりも一段高い4.3という平均評定、これはA評定を意味しますけれども、これ以上であるか、例えば数学オリンピックで優勝したことがあるなど、かなりすぐれた能力を持っておられるということで学校長の推薦を受けた場合には、平均評定が4.3に満たなくとも給付型奨学金の対象となり得るということでございます。
    それから、下の黒枠の部分、詳述は避けますけれども、現在の奨学金について、返還を猶予する制度がかなり充実してきています。一例だけ申し上げますと、注1の「ただし」以下に書いてありますように、無利子奨学金については、申請時の家計支持者の年収が300万円以下であって、親からの支援が当てにならない、かつ本人が卒業後働いて、年収が300万円を超えない間につきましては、無期限に猶予するといった制度も既に導入されております。このように、高等教育段階における公的な支援につきましては、所得水準が低い世帯に属する学生に対する支援を手厚く充実してきているというのが現状でございます。
    こういったことを背景に、8ページ以降、高等教育段階についての教育支出の状況の国際比較というものを見てまいります。上の棒グラフが、在学者1人当たりの高等教育段階に限った公財政教育支出でございます。高等教育段階に限りますと、このように、日本はOECD平均値に満たない状況になっております。次に下の棒グラフは、上の公財政教育支出に私費負担を加えた学生1人当たりの教育支出全体の額でございます。そうしますと、日本の位置というのはかなり上位に来ており、OECD平均も上回るということがお分かりいただけるかと思います。
    これと租税負担率との関係を組み合わせたのが次の9ページでございます。これは、縦軸が各国における公費の負担割合で、上に行くほど公費でたくさん負担し、私費の負担は少なくなります。それから横軸に租税負担率をとっております。これをご覧いただきますと、日本は、アメリカとほぼ同じ位置にありまして、教育支出の高等教育段階における公費の負担割合は低い状態にあります。つまり、家計負担が多いということでありますけれども、それとともに租税負担率も、OECD平均よりも低い水準にあるということがご確認いただけるかと思います。ドイツやイギリス、フランスを赤字にしておきましたけれども、これらの国におきましては、例えば大学の授業料無償化といったことも行っている国が含まれており、公費の負担割合が高いのですけれども、租税負担率もそれなりに高い水準にあるということでございます。
    四角の枠で参考として、進学率も記載しています。公費の負担割合が増えると、家計の負担割合が減ることになり、進学率が高くなりそうな気もするのですけれども、これはご覧いただきますとお分かりいただけますように、必ずしも公費の負担割合が増えると進学率が上がるといった関係にないことがお分かりいただけるかと思います。
    進学率については、更に詳しく見るために、10ページにまとめました。緑の棒グラフです。高等教育機関への進学率、これは4年制大学、短大、それから専門学校を合わせた進学率でございますけれども、OECDの統計によるものであります。日本は80%ということで、平均値を上回り、かなり上位にいるということが分かります。それから、下の赤い棒グラフをご覧いただきますと、学歴取得率について、日本の大学は、入学してしまうと卒業するのは簡単という要因も影響しているかもしれませんけれども、日本の水準は非常に高いということがお分かりいただけるかと思います。こういった環境の中では、公的な支援を拡充し、経済負担を軽減する措置をとる場合に、全ての家計に対して支援を行っても、進学率や学位取得率が全世帯において急激に上がる余地はそれほど残っていないのではないだろうかということが見てとれると思います。
    それと関連して、11ページのグラフでは、横軸に世帯の両親の年収をとりまして、縦軸に進学率をとったものでございます。各4年制大学、専門学校、あるいは就職する方について色を分けて表記してありますけれども、高等教育機関の合計をとったものが一番上の赤い太い折れ線でございます。4年制大学や就職率などは年収による差が大きいのですけれども、高等教育機関全てを合わせたものでも、年収が低い世帯においては、高卒で働かれる方が多い、進学率が低いということが分かるかと思います。したがいまして、経済負担の軽減をして、進学の後押しをするといった政策を打つ場合に、このような低所得世帯への支援を重視するということが、効率的かつ効果的な財政資金の活用ということになるのではないかと考えます。
    12ページは、今申し上げてきたことをまとめたものでございます。一部省略いたしますが、4つ目のマル、高等教育段階の更なる負担軽減が課題ということが言われるようになっておりますけれども、以下の論点があるかと考えます。
    では、高等教育段階における私費負担割合は先程も言いましたようにOECD平均よりも高いですが、この私費負担割合の高さは、低い租税負担率と裏腹なものであるということです。高等教育につきましては、その効用は経済的側面のみならず多様なものがありますけれども、経済的側面に着目すると、その教育を受けた人の生涯賃金の増加につながるという自己投資の側面が強いということを考えた時に、果たして私費と公費、どの程度の割合で高等教育を賄うのか、社会がどの程度の割合で支えるのかということ、ここを十分に議論しておく必要があるのではないかということでございます。
    それから は、先程申し上げましたように、進学率・学歴取得率はかなり遜色なく高い水準まで来ておりますので、それぞれの家計の状況を踏まえた対応が必要になってくるのではないかということでございます。
    以上が「教育支出の現状」についてのご説明でした。
    次に、13ページ以降が大学改革についてのテーマで、教育の供給側の話です。14ページが、私立大学の学校数と入学定員の推移を示したものでございます。青い棒グラフが私立大学の学校数、赤い実線が入学定員の数であり、平成に入ってから増加してきていることがお分かりいただけるかと思います。一方で、緑の実線、18歳人口は減少し続けておりますし、今後も減っていく見込みでありますので、潜在的なマーケットは縮小傾向にあるということは間違いないと思われます。このような中では、定員を充足できない大学が出てくるということになろうかと思います。
    実際に足下ではそのような状況になってきておりまして、15ページですけれども、私立大学につきましては、定員割れをしている大学が全体の44.5%、それから入学定員の8割未満の大学に絞った場合、全体の2割の大学がそのような状況にあるということが分かります。次の16ページは、そのような状況が改善する見込みはほとんど期待できないのではないだろうかという推計でございます。これは、18歳人口を青い実線で、進学率の予想値が緑の実線で示しておりますけれども、ここでは過去5年間の平均伸び率でこれからも伸びていくと仮定しております。オレンジの棒グラフが入学定員、青い棒グラフが入学者数で、これまでは入学定員を少し上回る入学者数があったということで、健全な姿であろうかと思います。これは日本全国の4年制大学の国公私立全てを含めた定員の数を示しておりますけれども、仮に今の定員を同数維持する場合、18歳人口の減少が効いてきて、マクロで見ても、入学定員を維持することは難しいのではないかということでございます。そうしますと、ミクロで見た時には、今以上に採算のとれない高等教育機関がたくさん出てくるのではないかということでございます。したがって、教育内容の改善、更には再編・統合と、場合によってはそういった改革ができない大学については、マーケットからの撤退といったことも視野に入れざるを得ないのではないかということであります。
    17ページは、大学の教育の質に関する、よく言われる資料の一つをご紹介しております。日本の大学は学生にあまり勉強をさせないといった批判がありますけれども、そこにありますように、1日1時間未満しか勉強しない学生が日本には6割以上いるということが分かります。
    それから、次の18ページは、学生支援機構の行っております奨学金の返還延滞率を取り上げてみたものでございます。これは、今年の4月に日本学生支援機構が大学及び短大、専門学校ごとに、どの程度の延滞率なのかということを公表いたしました。そのデータを使いまして、当方でも分析して整理したものであります。
    下の表からご覧いただきますと、例えば大学の学部を例にとりますと、国立大学の延滞率は0.6%、これに対して私立大学の延滞率は平均で1.5%という状態になっております。私立大学の平均1.5%の倍である3%以上の延滞率となってしまっている大学の数は、上の表の右上にありますように、3.1~4.0%、それ以降10%までありますけれども、合計してみますと、全体の中で2割程度の大学・短大・専門学校がこういったところに該当するということが分かります。
    これらのデータと各大学の定員の充足状況とを組み合わせてみたものが19ページのグラフです。これは、横軸に定員の充足率をとりまして、奨学金の延滞率を縦軸にとりました。上に行けば行くほど延滞率が高くなるということです。回帰分析もして近似曲線の傾きを求めました。ただ、決定係数は低いので、あまり学問的に価値はないかもしれません。私どもが申し上げたいのは、相関関係があるかないかという証明ではなくて、むしろ、縦軸点線を随分下回っていて、学生が集まらないような大学、学生に見向きもあまりされないような大学であって、かつ奨学金を返すことができないような卒業生をたくさんうみ出している大学、つまり分布図の左上にあるような大学が少なからず存在するということに着目したいと思います。
    延滞率と大学における教育がどのように関係するのかということについて、これは、絶対唯一の基準としてそれが役に立つと申し上げるわけではありませんけれども、一つの切り口として、大学は授業料を学生からいただいて、それで教育なり、学生が自活できるような付加価値をつけられるようにすることを提供するわけでありますけれども、学生が卒業しても就職できない、あるいは就職しても給料が十分ではなくて、授業料や生活を賄うために借りた奨学金を返せないという状態でありますと、十分に自活できる能力を身につけられなかったということではないだろうか。何のための授業料だったのだろうか。そのような観点から、そういった大学については、教育の質の改善ということに十分に取り組んでいただかなければならないのではないかというような観点から延滞率を取り上げてみた次第でございます。
    大学の再編・統合につきましては、文部科学省及び経済財政諮問会議でも取り組む必要があるという方針が打ち出されております。20ページにありますように、上の囲みが、文部科学大臣が先月4月に経済財政諮問会議に提出された資料です。左上が、国公私立の枠を超えた連携・統合の可能性を検討しなければならないということ、それから右下が、改革ができないのであれば、円滑な撤退手続の検討が必要だということを述べています。それから、下の囲みは、その同日の経済財政諮問会議において民間議員の先生方が提出された資料です。(3)の組織再編というところに同趣旨が書いてございます。財務省といたしましても、このような方針を打ち出している文部科学省及び経済財政諮問会議などと連携しながら、大学の再編・統合、それから場合によっては円滑な撤退といった検討を進めてまいりたいと考えてございます。
    21ページは、私立大学に対する経常費補助の配分の仕方に、教育あるいは学生の自立を助けるパフォーマンス、大学の教育のパフォーマンスというものを指標に取り入れてはどうかということを述べたものでございます。私立大学向けの経常費補助につきましては、そこにありますような算定式によって一般補助額は決まっております。この中の右のほうに傾斜配分というものがあります。傾斜配分は、これまでは、学生の定員に対する充足率あるいは超過率、超過率もあまり超過すると環境が悪くなるということでペナルティーになりますけれども、それから教員をきちんと配置しているか、教員数、PT比のようなものでペナルティーや底上げをして傾斜配分をするというシステムになっております。ここにこういったある意味で、外形的な基準だけではなくて、教育・人材育成、自活の補助などのパフォーマンスを反映するために、例えば先程申し上げました延滞率、あるいは取るのはなかなか難しいかもしれませんが、就職率や、海外の大学からきちんと評価を受けているかどうかということをあらわす指標の一例として、例えばデュアルディグリーを海外の大学といくつ契約できているかといった教育のパフォーマンス指標をこの配分基準の中に加えていき、良い大学にはより手厚く、残念ながらそうでない大学については一層厳しく配分を行っていくことが今後必要になってくるのではないかと考えている次第でございます。
    以上をまとめましたものが22ページでございまして、1つ目のマルは、定員割れをしている私立大学が多く存在していて、 のところにありますように、大学の再編や教育力向上といった改革が急務ではないかということを述べています。
    それから、2つ目のマルですけれども、大学改革を加速するため、下記のような改革促進策を検討できないかということで、 にありますのは、地域医療構想と似たような発想で考えたものでありますけれども、当該大学の地域における役割、その大学が必要とされているかどうかといったことや、その大学の教育の実態や経営状況について検証していただくためのコンソーシアムのようなものを作った上で自治体にも参加していただくべきではないか。その地域にとってどのような大学が求められているか、あるいはその大学はその地域にとって必要なのかどうかということを自治体自身にも考えていただく必要があるのではないかということを指摘してございます。それから は、先程申し上げました補助金の配分基準に、これまでの指標ももちろん重要だと思いますけれども、それに加えて客観的な教育のアウトカム指標といったものを導入する取組を始めてはどうかということでございます。
    それから最後に、23ページ、参考といたしまして、「教育支出の財源について」です。昨今、教育支出の財源について様々な議論があって、例えば国債を発行するといったアイデアなどが新聞などで報道されているわけでありますけれども、それについて参考までに論点をご紹介するものでございます。
    1つ目のマルにありますように、教育支出を拡充する場合に、その財源は、まずは当然、無駄な歳出カットということで捻出していくべきであります。それではとても足りないといった社会要請が現に存在するという場合には、現世代における様々な税制(タックス・ミックス)を中心とした財源を検討するというのが、責任ある議論、考え方ではないかということを述べています。
    それから、2つ目のマルにありますように、国債を発行して賄ってもいいのではないかという考え方の論拠としてよく出される考え方が、教育は無形の社会的資産を生むものなのだといった考え方、あるいは教育には投資効果があり、所得水準が上がると所得税をたくさん払うようになるので、それによって償還財源が確保されるのではないかといったロジックが唱えられることがよくあります。しかし、結局のところ、そうした国債は、抽象的な議論でもありまして、赤字国債と変わらず、問題が大きいのではないかと考えます。このようなことについて十分に議論する必要があるのではないかということで、ここでは課題としてご紹介させていただきました。
    以上でございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。
    本日は、文教について、全体的な説明をいただきました。支出の現状と、それから高等教育、ここの部分では、定員に満たない、具体的には私学が挙がりましたけれども、それに対する対応をどうするか等、ご説明がありました。ご質問・ご意見のある方は、お願いいたします。加藤委員。
    〔 加藤委員 〕 ご説明ありがとうございました。手際よく簡単に質問と、それからいくつか話をさせていただきたいと思います。
    7ページについて、最近では給付型奨学金が非常に議論されているのですが、結局これは個人への贈与になりかねないのではないかという側面もあるかと思います。実際にそれで大学に行けることによって、より高い賃金が得られるということです。もちろん、低所得者に対する支援というものは必要かもしれませんが、それはあくまでも再分配政策や、例えば授業料の減免でやるということが筋であって、あまりこの給付型奨学金を増やすということは、ばらまきに近くなる。少なくとも、高等教育になればなるほど私的な財である側面があるので、これについては必ず注意すべきではないかと思います。
    2点目は、同じく減額返還制度というものがあるのですが、これは結局、元利の合計は最終的に増えるということになりますので、もしこういったものを使うのであれば、元利合計が増えないような工夫が必要かと思っております。
    3点目は、19ページで、先程私立大学の定員の充足率と奨学金の延滞率の話がありましたけれども、大学の教育が悪いのか、それとも実際に奨学金を得た学生の能力の問題なのかということを考えていきますと、実際の因果関係は個人の問題なのだろうと思われます。ですから、大学ではなくて、個人に対する指導や教育支援といった側面ということを考えていく必要があるかと思います。
    最後は、先程の教育国債ですが、これは本当に大反対するべきだと思っております。目的に意味があれば何でも借金で賄っていいのかということになってきますし、便益を受けるのは個人で、ある意味で私的な側面がありますから、これについては注意しなければいけないと思います。
    以上です。どうもありがとうございました。
    〔 田近分科会長代理 〕 引き続きご意見を承りますけれども、時間配分のほうから、今挙手されている方のみ質問を承るということにさせてください。大槻委員。
    〔 大槻委員 〕 ありがとうございます。4月から委員に加わったので、どれだけ効率的に質問申し上げられるか、少し不安なのですが、金融と、それから大学で教えているという専門でございます。2点申し上げます。
    今、加藤先生からもありましたけれども、特に私学の奨学金延滞については、加藤先生ご指摘の点に加えて、例えば地域性、その地域の大学に行った場合にどうしても平均の賃金が低いなど、そういったことも含めて、十分な議論が必要なのかなと思っております。やはり問題意識の中でもご指摘していただいていましたけれども、いかにその教育のアドバリューが高校卒業後、大学の間にできるのかというところをどのように測るのかということだと思います。例えば、日本でも学術会議で既に基準などが出ていますけれども、それに沿ったような測定の方法が、実行もされていないと認識しておりますので、何らかの形でその教育の成果を測って、それに対して施策を打つことができたらいいのかなと思っております。
    2点目は、今回のテーマで直接は出てこなかったのですが、男女格差でございます。OECDのデータを見ると、日本の場合、高等教育の学士全体における女性の占める割合は一番低いですし、学習時間も最も低い国のうちの一つということで、もしかすると女性には高等教育に行くという選択肢を考えるような機会すらも十分ではないのかもしれないという問題意識を持っています。前回にあったような女性活躍の促進加速ということであれば、長期的にはこのような女性の高等教育を受ける機会なり、考える機会を与えるような取組も必要かなと思った次第です。
    ありがとうございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。では、遠藤委員。
    〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。幼児教育については、もう既に無償化などの制度が拡充してあるということですので、それを高等教育に広げようということですけれども、教育の投資のリターンの不明瞭さからして、財政支出を高等教育に向けることについては、基本的に反対です。子供は常々、手塩にかけたにもかかわらず裏切るものですので、これほどリターンが悪い投資というものはないのではないかなと思います。
    高等教育の無償化が世代間格差の解消のツールとしてみなされることについても反対で、それは所得税の特に基礎控除などを中心として、税の構造改革に真正面から取り組むべきであると考えます。それでもなお、高等教育の無償化に財政支出を行うのであれば、租税負担率の低さなどを考えて、現世代の増税、特に言えば消費税などによる財源確保が前提だろうと思います。もちろん、国債の発行は問題外だということは皆様と同じですけれども、一部では、保険料の徴収を行うべきという議論もあると思います。取りやすいところから取るということで、保険料となると、電気料金のように取りやすい。そこに慣れてしまうことは基本的よろしくなくて、真正面から十分に増税について考えなくてはならない局面ではないかと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 井堀委員。
    〔 井堀委員 〕 教育に公的支出をする場合は、2つの観点があって、一つは便益の外部性であり、もう一つは資本市場の不完全性です。便益の外部性の観点から言えば、要するに義務教育は非常に外部性があるわけですけれども、大学教育はそれほど外部性がなくて、高等教育で外部性があるとすれば、大学院教育のほうです。大学院で研究開発を行うわけで、その意味では、大学の学生に対する補助金というのは、資本市場の不完全性の観点から問題があるとすれば出すということになります。資本市場の不完全性というものは、要するに所得が低い人が、将来自分が大学に行きたくても自分のお金では行けないために借りるわけですから、これは加藤委員がおっしゃったように、貸与型の奨学金で対応すべきというのが原則で、給付型というのは、資本市場の不完全性を是正するとしては筋が悪いということになります。
    それからもう一つは、本日のお話で出てきた、19ページの奨学金延滞率と定員充足率の図は非常におもしろくて、これをもう少し深掘りしていったほうがいいのではないかと思います。
    それから最後は、赤字国債との関係で、保険料の話も出てきたのですけれども、どちらにしても、要するに教育支出という特定の歳出を国債にしろ、税金にしろ、保険料にしろ、特定の財源調達方法と絡めるというのは、目的税が良いか悪いかという話と絡んできます。通常であれば予算編成の硬直性を招くだけなので、目的税というものはよくない。教育に本当にお金が必要であったら、一般財源から他の歳出を教育に振り分ければいいだけの話であって、あえて新しい財源をそこで、国債にしろ、税金や保険料にしろ、設ける必要はないので、主計局が適切に査定していただければいいだけの話ではないかと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。では、神子田委員、お願いいたします。
    〔 神子田委員 〕 ありがとうございます。1点目は、高校の時の成績に応じてお金を借りられたり貰えたりということもあるのですけれども、一方で、低所得者層の子供は、子供のころからあまり教育を受ける機会と言いますか、塾に行く機会も少ないでしょうし、当然高校時点でもう学力の差がついているので、それを成績で切って捨てると、未来を奪われるということもあるので、ある程度成績を加味しないでも給付するということは必要だと思います。一方で、先程の大学によって奨学金延滞率が変わってくるというお話について、私は、大学の質もそうですけれども、個人の学習意欲というところも非常に大きいと思っています。これを年々追跡調査していく必要があるのではないかと思います。つまり、日本の大学は、入るのは難しくて出るのは簡単と言われていますけれども、大学は入って勉強して意味があるので、ましてや国から奨学金をもらって、授業にも出席しない、サークルやバイトに明け暮れるということが許されるのかどうかというところがあります。現実的にはどうやるか、手段は難しいと思いますけれども、入った後の学習意欲がきちんと続いているかどうかということを適切に追跡調査するということは、資金を有効的に使う上で一つのポイントだと思います。
    また、先程自己投資の面があるという話が出た時に、でもそれは、将来有為な人材になったらきちんと国に税金を納めることになるのではないかと思っていたら、最後のまとめで、そうした考えは赤字国債と同じだという意見がありました。子供の教育がうまくいけば、将来、社会に有為な人材となって、社会はずっとその人材から裨益すると思います。つまり、建設的な借金ではないかと私は思いますけれども、なぜそれを財政規律が守れなかった時に発行する赤字国債とみなすのか、少しその辺の見解をお伺いしたいと思います。
    〔 田近分科会長代理 〕 では、奥主計官。
    〔 奥主計官 〕 今、社会に有為な人材が育つから、建設的な借金であるといったお話があったかと思いますけれども、今ただでさえ社会保障関係費を含めて、次世代に負担を先送りしているという状況の中で、自分にあるいは社会にとって役に立つお金であれば、その支払いも次世代に先送りしてもいいということになると、世代間格差の問題が更に広がるという観点から、問題があるのではないかと考えます。これが理由の一つでございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 増田委員、お願いします。
    〔 増田委員 〕 教育国債は正式な提案ではもちろんないわけですが、早目に財審として火は消しておくべきだろうと私も思います。その中で、私は建設国債的な考え方で更に枠を広げることには反対でありまして、その観点が一つと、それから国債で対応するということ自体もおかしいと思いますので、両方の観点で反対ということになります。
    これは言うまでもなく、適切に8%から10%まで消費税率引上げをすべきですが、その時にも、社会保障に充てると決まっているわけですから、その中身が教育問題にすりかわることのないように、決められたことを適切に履行していくべきだと思います。
    それから、本日は高等教育についての議論が大きいと思いますが、優先すべきは幼児教育のほうで、まだ不十分なところがあるので、もう少し進めていくべきではないかと思います。出生動向基本調査等を見ても、せいぜい1人で、多子世帯にならないというのは、教育費負担が非常に大きくて、その入り口である幼児教育の負担について抵抗感のようなものがあるので、もう少しそちらのほうを進めるということを優先すべきではないかと思います。
    それから、最後に3点目ですが、後半のほうで特に私学を中心に再編の話がありましたが、私もここは大いに進めるべきで、18歳人口が今120万人程度だと思いますが、2030年には100万人に、2040年には80万人にまで減るわけですから、明らかに大学の数が過剰です。ところが、これは国立大学も含めてですが、例えば時代の要請から新しい学部・学科をつくろうとすると、スクラップ・アンド・ビルドが全く進まなくて、そこにいる既存の人たちの抵抗もいろいろあるのでしょうけれども、新しいものをつくったとしても、既存のところを残すので、どんどん肥大化するような構造がずっと見られてきている。これについて一つの提案で、まとめのところで、私も地域医療構想のようなもので、地域自治体を巻き込んで再編に資するようなことをやっていくのも一つの考え方だと思いますが、まず学内的に学長などのリーダーシップやガバナンスを強めて、思い切ったスクラップ・アンド・ビルドを進められるような体制の構築を進めていく。その範囲の中で学部の定員などを考えていくということにしないと、これからの社会の要請に耐えられないのではないかと思います。ですから後半のほうの私学についても、特に厳しくその成果というものを求めていく必要があるのではないかと思います。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。永易委員、お願いします。
    〔 永易委員 〕 では、簡単に2点、申し上げます。
    1点目は、公財政教育支出全体について、様々なご説明があったわけだけれども、これの合計額というものは決して減っていなくて、この10年間程度を見ても、むしろ増えているという実績があります。議論はたくさん出ておりますけれども、対象者となる人数はどんどん減っているということは、パーヘッドの公財政教育支出が非常に増えているということを意味しています。もちろん、先程からご説明があるような様々なところで教育を何とかしようという試みが、補助的な形で行われているということも分かりますが、財審的に見れば、本当はおかしくて、パーヘッドの議論、全体として予算の目安のようなものが必要なのではないか。これはあくまでもパーヘッドの議論から、小学校や中学校を統合してこのような形になっているのは分かりますけれども、そのマクロの数字から見ると、そのスピードが十分でないように見える。したがって、そのようなものに対する一つの目安が必要なのではないかというのが1点です。
    2点目は、少し観点は違いますけれども、高等教育の中で、例えばタイムズが出している世界の100大学などを見ると、今、日本はたったの2校です。しかも東大、京大はそれぞれ順位が下がってきているという現状です。産学協働を様々なところでやっていかなければならないと産業界も思っておりますけれども、第3類型の本当に世界に伍していけるジャンルの大学が、私立の中からでも出てきていいと思います。そのようなところに様々なルールを設けながらも違う観点で厚目の配分が行われることがあってもいいのではないかと考えます。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。土居委員、お願いします。
    〔 土居委員 〕 慶應の土居でございます。2点あります。
    まず大学改革ですけれども、私自身も大学に属していて、当然これは進めなければならない、自分自身としても重要な問題で、これは早期に解決すべきだと思います。特にこの大学改革に関しては、高等教育の無償化の地ならしや取引材料にはすべきではない。大学改革をしたから高等教育の無償化をしてほしいという、そのような道しるべに使われるおそれが、今の議論の展開だとあり得るわけでありますけれども、決して大学改革は、別に高等教育の無償化をしようがしまいが、必ずやらなければならないことであります。その意味では高等教育の無償化の取引材料にすべきではないと思います。
    それからもう一つは、教育国債のことでありますけれども、経済力がないご家庭で育ったお子さんにも高等教育を受けさせるということは非常に大事なことだと思います。しかし、今回の教育国債という議論は、2020年度のプライマリーバランスの黒字化目標の脱法的行為の手段に使われているということが極めて問題であります。あたかも大学生を人質にとるような議論でありまして、非常によくない議論の組み立て方であります。そのような経済力のないご家庭で育った有為な人材の方々には既に貸与型の奨学金があるわけでありますから、貸与型の奨学金、更には給付型奨学金も新たに設けられました。このような奨学金で対応する手段が既に存在していて、何も新たに教育国債という手段で財源を集めるという必要はないと思います。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。では、田中委員、お願いします。
    〔 田中委員 〕 手短に2点申し上げます。
    1点目でありますが、教育国債に関しては、今まで主計官や土居委員も説明されたように、これはまさに次世代への先送りの負担を増やしているだけということになってしまいますので、私は反対したいと思います。
    2点目でありますが、これは大学評価に10年ほど着手してきた者として申し上げたいと思います。先程の提案では、教育の成果のインディケーターを見て、適切にメリハリのある評価を行って、それを配分の根拠にすべきだという趣旨のことだろうと思います。延滞率のインディケーターの妥当性云々という話がありますが、そこで各論に入らずに、成果を目的にして評価を行うということについては大事だと思います。というのも、今までの大学の評価というのは、大学の多様性や自立性ということを重んじるがあまり、比較をしない、メリハリをつけないという傾向が非常に強かったです。大学の評価の在り方そのものを大きく変える必要があるのですが、そのような意味で成果指標を入れて、適切に比較してメリハリをつけるというやり方に関しては、私も賛同いたします。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。では、竹中委員、お願いします。
    〔 竹中委員 〕 10ページですけれども、上が高等教育進学率と下が学歴取得率ということで、これを並べることによって何らかの相関関係のようなものを見るのかなと思ったのですが、下の表で韓国がトップになっているのに、上の表では出ていないぐらい順位が下のほうなのか、それとも調べていないのか、少しこの表の説明だけ教えてもらえたらなと思いました。
    〔 奥主計官 〕 これは、OECDの統計から引用してきている資料なのですけれども、OECDの原データのほうでも、韓国については、上のほうのデータがとれないということになっています。
    〔 田近分科会長代理 〕 分かりました。では、更に精査してもらうことにします。では、武田委員。
    〔 武田委員 〕 私も意見を2点申し上げます。
    1点目は、大学の質の向上の視点でして、先程永易委員がおっしゃったことに私も賛同いたします。グローバル基準でアウトカム指標を適切につくって、その指標の高い大学に厚目の配分という視点がグローバルで見た時に、質の向上につながるのではないかと考えます。
    それから2点目でございますが、これも既に他の委員の意見でございますけれども、スクラップ・アンド・ビルドの視点、これを適切に、人口減とともに質の向上という観点からも進める必要があると思います。財源議論は、先程から出ている通りだと考えますけれども、実はこういったことを十分に進めていけば、自ずと厚目につけられるところの財源は出てくるのではないかと考えます。今の質の向上の視点とスクラップ・アンド・ビルドの観点の両方を進めていただければと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 小林委員、お願いします。
    〔 小林(慶)委員 〕 私も2点ほど申し上げます。1点目は、もう皆さんの意見の中でも出てきましたけれども、大学を考える時に、教育の問題だけではなくて、研究機関としての競争力と言いますか、優秀さというものをどのように高めていくかという観点で考えなければいけないだろうと思います。
    例えば、今朝も私は共同研究をやっている人と話をしてきましたが、地方の国立大学はあまりにも研究環境が悪いので、私立の明治大学に移りましたといったことをおっしゃっていて、そのような若い研究者たちというのは非常に多くなっています。最近、大学については経費削減をかなり厳しくやって、それはやるべきですけれども、その結果として、長期的に優秀な人材がとどまれない、とどまろうとしないという環境になってきている。これは、例えば20年後、30年後に日本の科学技術などの研究の水準に大きく影響を与えるのではないかと思います。
    だからと言って、大学により多く支出するということではなくて、スクラップ・アンド・ビルドで質の高い大学がうまく生き残れるようにする。あるいは規制緩和によって民間の資金や人材をうまく統合して、国際的にも競争力のある処遇ができるような大学をつくっていくということが大事なのではないかなと思います。そのような意味で、文教政策と科学技術政策を合わせたような視点で大学を考えるべきではないかと思います。
    もう一つは、先程研究あるいは教育の外部性の問題を井堀先生がおっしゃったと思うのですが、私もそこは同意見で、確かに高等教育の無償化、あるいは教育国債については一概に賛成はできません。ただ、大学院レベル以上の研究については、長期的な外部性というものはあると思いますので、そこはバランスよく財政のリソースの配分を考える余地があるのではないかと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 では、黒川委員、お願いします。
    〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。本日の「参考資料 文教」のほうで、奥主計官が非常にすばらしいものをつくってくださって、時間の関係でご説明できなかったと思うのですが、その8ページを見ていただきたいです。私立大学と国立大学の収容定員規模が載っています。私はこれを見た時に愕然としたのですが、私立大学のほうを見ていただくと、収容定員2,000人以下が6割もある。私自身は39年も慶應義塾にいまして、私の大学は恐らく私立大学の中のトップから十番か二十番以内の人数だと思いますけれども、全く違うということに気がつきました。
    そこで、先程からの議論を聞いていて、大学人として思うことが3つあります。1点目は、大学に対するイメージとして、大学院の学生に対しては、研究者育成ということを考えますが、学部のゼミ生に対しては、研究者という扱いではないのです。
    それから、この図を見まして、収容定員2,000人以下の私立大学の学生に対して、どのようなことを教えているのだろうか。先程から、大学の評価をするという時に、グローバリゼーションという話がでていましたが、慶應の大学院レベルと、学部レベルの学生、それからこのような定員が少ない大学の先生たちが何を教えるべきなのか。これは同一の指標では全く測定できないということを我々はまず考えなくてはいけない。
    2点目は、政府のやることというのは、大きく分けて、公共資産をつくるということ、富の再分配をすること、それから、公共的義務として科学技術や文化を守る、あるいは発展させるということがあります。その中で、大学にも様々なタイプの大学があるということを念頭に置いて、この公共的な義務に対する支出を考えなくてはいけない。経済的な問題だけではないのだろうと思います。
    それから3点目、今度は奨学金についてですけれども、これも長くなりますが、一つだけ申し上げたいと思います。私は慶應のロースクールの兼担教授もやっておりました。その時に、今はやめているのですけれども、慶應はおもしろい授業料の取り方をしまして、1年間の授業料がいくらではなくて、1コマ14から15回の授業をした時に、1コマ履修すると8万円という授業料を取っておりました。私の授業は結構人気がありました。威張るわけではないのですけれども、100人程度履修者がいたので、一番大きな教室だったのです。そうすると、8万円×100人程度で800万円の授業料収入になります。その時に学生の出席率は非常にいい。私の授業は1回当たり5,000~6,000円だから、欠席すると5,000~6,000円失うことになります。8万円払っていますから。要するに、授業に出てこない、それから予習もしない学生が多い一般的な大学の状況で授業料を無料にしてしまったら、勉学態度はどうなるのか。8万円を学生たちは負担して、1回5,000~6,000円かかっていると思うと、1回欠席したら損だと思う。それと同じことを敷衍すると、奨学金制度に関連して、授業料を無料にしたら勉学効果は本当に良くなるのかと疑問に思います。高等教育の効果として、負担をして、自分で払っているのだから、授業をとらなくては損だという意識、これが一番大きいのではないかなと、その時の経験から申しました。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。いろいろ議論があって、ここで要約するようなことはしませんけれども、1点として、大学に対する重点配分、スクラップ・アンド・ビルド、それからパフォーマンス評価はどうするかと、その辺が更に本日の資料に加えて議論しなければならない点であったのかなと思いました。
    続いて、地方財政について議論を進めていきたいと思います。
    泉主計官、お願いします。
    〔 泉主計官 〕 地方財政の担当主計官をしております泉です。よろしくお願いします。
    「資料2 地方財政」という資料をご覧ください。本日は、 と で「地方財政計画の概要等」と「国と地方の財政状況」について簡単にご説明した後に、メインとしては の「今後の課題」ということで、大きく2つ、「地方財政計画と地方決算のPDCA」と、「自治体間比較を通じた行政経費の抑制・業務改革の推進」という点についてご説明したいと思います。
    それでは、4ページをご覧ください。最初に国の一般会計における地方交付税等の規模ですが、黄色い部分、平成29年度予算では15.6兆円でして、国の政策的経費としては社会保障関係費に次ぐ規模となっております。
    5ページをご覧ください。ここで交付税の額はどのように決まるのかということを説明しておりますが、まず左側、予算編成を通じて地財計画の見積もりを行っていきます。地方団体の歳出と地方税収等の歳入を見込んで、足りないところを、ピンク色の部分ですが、歳出・歳入のギャップを埋めるものとして交付税の総額は決定されます。そうして決まった交付税の総額を今度は各地方団体ごとに基準財政需要額と基準財政収入額を算定していって、足りないところ、黄色い部分ですが、これが各自治体に配分される交付税の額ということになります。ピンク色の部分が1,700余りある地方団体の黄色の部分にそれぞれ配分されていくということでございます。
    それでは、次に6ページと7ページですが、これは今申し上げたことを若干詳しく説明しています。
    まず6ページですけれども、交付税の総額がどのような財源で充当されるのかを示しています。左側のピンク色の部分が歳出・歳入ギャップですが、これを緑色の一番下の部分、所得税や法人税、消費税などの法定率分で埋めまして、更に平成26年度に導入されました地方法人税の税収などが交付税特会に入ってきまして、これが特会財源として追加されます。それでもなお足りない部分については、国と地方で折半することになっておりまして、地方側がオレンジ色の臨時財政対策債、赤字地方債を発行しますし、国側は赤字国債を発行して交付税総額を確保するわけでございます。
    こうして決まった交付税の総額をどのように自治体に配るのかということを示したものが7ページでございまして、上のほうに書いてあります通り、個別自治体ごとに総務省が基準財政収入額を見込み、その自治体の行政需要として基準財政需要額を見込んで、税収などで賄えない部分について、交付税を配分していくということでございます。
    次のページ、8ページはご参考でして、9ページは平成29年度の地方財政対策の概要を記しております。左側の一般会計から、先程申し上げました地方法人税収などの特会財源を加えまして、右側の地財計画ですけれども、その黄色い部分、いわゆる出口ベースの交付税額としては16.3兆円となっております。ご参考にご覧いただければと思います。
    11ページからですが、ここから「国と地方の財政状況」についてご説明いたします。
    まず12ページをご覧ください。このページは、国と地方のフローの財政状況を示しています。緑色の折れ線グラフの実線のほうですが、これが国の基礎的財政収支です。一番右側をご覧いただきますと、▲20.8兆円となっておりまして、ずっと赤字が続いているわけです。地方のほうは赤色でございまして、ご覧の通り、ずっと黒字になってございます。
    この緑色の国の線を見ていただきますと、平成21年度、22年度あたりに大幅に悪化しておりまして、これはリーマンショックの影響で税収が大幅に減少したためです。下の棒グラフが地方交付税の内訳なのですけれども、税収が減少したので、この平成21年度、22年度辺りの青色の部分、交付税の法定率分が減っているのが分かります。それでは地方は困るということなので、赤色と緑色の部分が足されておりまして、それぞれ特例加算、別枠加算といって、赤字国債を発行して交付税額を確保しているということで、その結果、リーマンショックで国のPBは大幅に悪化したわけですけれども、地方はご覧の通り、PBは黒字の横ばいで続いているということが示されてございます。
    次に13ページですけれども、これは国と地方のストックの財政状況です。上のほうが長期債務残高の推移ですけれども、30年前から20年前、10年前と、国と地方で同じように債務残高は増えていったわけですが、10年前と現在を比べますと、リーマンショックの影響で国は300兆円以上の債務残高が増えたのに対して、地方のほうはほぼ横ばいとなってございます。
    それでは、14ページをご覧ください。ここで、現在、地方財政に関してどのような財政規律のルールが設定されているのかということをご説明します。まず14ページの右側ですが、骨太方針を載せております。ピンク色の部分が財政健全化目標でして、この実現に向けて歳出改革の目安が設定されております。地方に関しては、一番下の<目安4>というところで、2行目の右側に「一般財源の総額について」とあって、最後に「実質的に同水準を確保」するとあります。一般財源の総額とは何かということですが、左側の黄色い部分です。地方交付税とか地方税収等々を合わせまして、地方にとって使途が特定されていない財源、すなわち一般財源を、平成29年度ですと62.1兆円ですが、こうした水準で確保しようということです。
    一般財源が同水準という意味は、例えばですが、地方税収が急に減るということになれば、その分地方交付税は多くなるということになりますし、地方税収が増えてくれば、交付税は減ってくるということでして、一般財源を同水準確保するというルールを設定した結果、地方団体は安定的な財政運営がしやすくなるということになります。また、逆に言いますと、一般財源の水準が同水準ということであれば、歳出がどんどん増えていくといったことにはなりませんので、こうした形で財政規律のルールとしているわけです。
    15ページには一般財源総額の推移を示しています。平成23年度に「一般財源総額同水準ルール」が設定されました。左側をご覧いただきますと分かる通り、過去最高水準で設定されたというわけでございます。右側を見ますと、最近増えている感じがいたしますけれども、これは、消費税率が5%から8%に引き上げられたので、平成26年度に初年度分、27年度、28年度に平年度化した分などが上乗せされているという状況でございます。
    16ページをご覧ください。16ページのオレンジ色の折れ線グラフが地方税収です。最近増えてきておりまして、平成29年度は過去最高の水準となっております。地方税収が最近増えておりますので、その分、地方交付税は、青色の折れ線グラフですが、趨勢的には減ってきているという状況です。
    右側の17ページが地方債ですけれども、税収が増えてきているので、青色の地方債の発行額も最近減少傾向にありまして、その内数になりますけれども、赤色の臨時財政対策債の発行額も減ってきているという状況になっております。
    18ページをご覧ください。これは、内閣府の中長期試算を載せております。左側が経済再生ケース、右側がベースラインケースです。左側を見ていただきますと、赤色の国・地方のプライマリーバランスですが、ご承知の通り、2020年度のところを見ますと、▲8.3兆円の赤字となっておりまして、これをどうするかが今後の課題であるわけですが、この赤色というのは国・地方を合わせたものですので、これを分けてみますと、オレンジ色が国、緑色が地方ということになります。地方だけ見ていただきますと、2020年度はプラス4.9兆円の黒字になっておりまして、ベースラインケース、右側で見ていただいても、3.5兆円の黒字になっているという状況にあるということでございます。
    19ページですけれども、ここから今後の課題についてご説明いたします。まず地方財政計画と地方決算のPDCAについてです。
    20ページをご覧ください。地財計画を策定いたしまして交付税を配分するわけですから、地方決算との比較検証を行うことを通じて、ぐるっと回って地財計画の改善につなげていくべきではないかということです。
    21ページですが、地財計画の役割の確認です。法律にどのように書いてあるのかを示しているわけですが、下線を引いた部分、「翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額」とあります。これを一言で言いますと、地財計画というものはフローの計画であるということです。すなわち、翌年度の行政需要がこれだけあると、毎年見積もって、それで必要な財源として交付税を措置するというフローの計画なわけです。一方、自治体の地方決算を見てみますと、毎年ストックが生まれています。地方団体の基金です。
    それでは22ページをご覧ください。22ページは、地方団体が積み上げている基金の合計額を示しています。ずっと増え続けておりまして、一番右の、直近の平成27年度決算で見ますと、総額で21兆円という規模になってございます。
    その右側の23ページは、これを個別自治体のレベルで見るとどうなるかという図です。個々の市町村が保有する基金残高の水準をそれぞれの市町村の基準財政需要額と比べた割合を縦軸にとっています。例えば、縦軸の100%は、1年間の行政需要、基準財政需要額と同じだけの基金を保有しているということになります。横軸は、その割合の高い順に1位から1,700余りの団体を並べています。これを見ますと、例えば基準財政需要額と比べて100%以上の基金を保有している団体というのが、平成27年度決算では、500団体程度あります。市町村は全部で1,700程度ですので、約3割の団体が基準財政需要額と同程度の基金を保有しているということになります。50%以上で見ますと、ずっと右側を見ていただきますと、1,200程度の団体がそれだけの基金を保有しているということになります。10年前の平成17年度が赤色ですので、基準財政需要額と比較した基金残高は増えているということになります。
    それで、どのような団体が基金を保有しているのかということを見たものが、24ページです。これは、先程のグラフを大きく3つに区切っております。一番左が基準財政需要額に対して基金残高の割合が100%以上となっているグループ、一番右側が50%未満となっているグループ、真ん中はその間のグループとなっています。その上で、地方団体を財政力の強さで3つに分けまして、それぞれどのように分布しているのかを見ております。ピンク色の団体は、財政力指数が低い団体、すなわち自前の税収が少なくて交付税に依存している団体です。このピンク色の棒グラフの分布を見ていただきますと、実はそうした団体のほうが基金残高の割合が高い団体が多いことが分かります。一方、オレンジ色が財政力指数の高い団体であり、自前の税収がある程度あるので、交付税の少ない団体ですが、こうした団体のほうが、基金残高割合が低い団体が多いということが分かります。端的に申し上げますと、交付税が多く配られる団体ほど基金残高の割合が高くなっているということでございます。
    このグラフはもう一つのことも示しておりまして、それは緑色の棒グラフでございます。緑色は、財政力指数が1以上の団体、すなわち税収等が極めて豊かな団体のことでして、このような団体になってきますと、税収などがかなり大きくなってきますので、基金残高の割合も高くなってくるわけです。
    次に、この一番左のグループ、基準財政需要額に対して100%以上の基金残高を保有している団体、このグループについて、こうした団体の基金残高額を見てみたものが25ページです。下に棒グラフをつけておりますけれども、ピンク色の団体というのは小さい団体が多いものですから、286団体で1.4兆円の基金残高額を持っています。一方、緑色が財政力指数1以上の団体で、こうした団体は25団体で2.0兆円の基金残高額を保有しているということでございます。
    ちなみにですけれども、このような財政力の強い団体の歳出はどうなっているのかというのを見てみたのが次のページです。この青の折れ線グラフが不交付団体、交付税をもらっていない団体でして、平成27年度では60団体あるわけですが、安倍政権発足後の歳出推移を見てみますと、平成24年度に11.1兆円だったものが、最近、平成27年度には12.6兆円で、13%の伸びになっています。赤の折れ線グラフが交付団体、交付税をもらっている団体でして、1,705団体あるわけですけれども、歳出額の伸びは89.9兆円から93.3兆円と4%程度となっています。すなわち不交付団体、財政力の強い団体というのは、歳出額は伸ばしているし、前のページで見た通り、基金残高も高くなっているということになります。
    27ページはまとめですが、繰り返しは避けまして、一番下のマルをご覧ください。これは、毎年度、赤字国債を発行して交付税を措置しているというのが現状でして、当然その分の利払い費も生じてくるわけです。一方、自治体側には21兆円という規模の基金残高があるわけですから、このような決算状況を見ますと、国・地方を通じた財政資金の効率的な配分に向けては、何らか地財計画への反映などを行っていく必要があるのではないかということでございます。
    次に28ページですが、「地財計画と地方決算のPDCA」の2つ目のテーマとして、「枠計上経費等の使途」についてご説明いたします。
    29ページをご覧ください。上の枠囲いの最初のマルになりますけれども、地財計画には、内訳や積算が明らかでない、いわゆる「枠計上経費」というものがございます。一番大きいものは、この左側の図で言いますと、オレンジ色、一般行政経費の単独事業分でして、14兆円程度あります。交付税は、使途の自由な一般財源という位置づけにはなっているのですが、地財計画の改善を図っていくためには、枠で計上した財源を使った事業の実績というものを可能な限り把握・検証していくことが重要ではないかと考えているところです。
    それと、一言で「枠計上経費」といっても濃淡がございまして、例えば左側の水色、これはまち・ひと・しごと創生事業費です。紫色は重点課題対応分、これは森林吸収源対策等々といったものなのですが、こうしたものは一定の政策目的を持った枠経費ですので、それに見合った事業がどのように行われているのかということを把握・検証することが重要ではないかと考えているわけです。
    30ページをご覧ください。30ページの左側は、市町村に対する基準財政需要額の算定項目を示したものです。上から土木費、教育費、厚生費等々とありますが、一番下のピンク色の部分が先程申し上げたまち・ひと・しごと創生事業費などの算定項目となっているものです。右側の図は基準財政需要額のボリュームのイメージ図ですけれども、一番上にあります通り、全市町村の基準財政需要額の合計額は25.2兆円でして、一番下のピンク色の部分、まち・ひと・しごと創生事業費などですけれども、これらが約7,000億円となっております。
    その上で、各市町村の行政需要、基準財政需要額はどのように算定されているのかという実例を見てみたのがその右側でして、例えばA自治体であれば、まち・ひと・しごと創生事業費分などが基準財政需要額の約3割という算定になっているわけです。そうしますと、自治体の1年間の行政需要のうちの約3割がまち・ひと・しごと創生事業費などだという扱いになっているわけでして、それだけのボリュームということであれば、実際の使途の把握・検証が必要ではないかと考えているということでございます。
    31ページをご覧ください。ここからやや細かい論点になりますけれども、このページでは国の補助金の裏側の扱いについてご説明しています。国の補助金の補助率が例えば2分の1だとすると、残りの2分の1が地方負担となって、交付税が措置されるわけです。補助金は、事業がうまく進捗しない等々の理由で不用がたまに生ずるわけでして、そうした場合、補助金は国庫返納されるわけですが、表側が不用になっているとすれば、当然裏側も不用になっているはずなのですけれども、交付税は決算を踏まえた精算が行われていないので、地方に渡しきりになっている状態でして、是正を検討する必要があるのではないかと考えています。
    次に32ページです。これも同じような話なのですけれども、地財計画には追加財政需要と呼ばれる、国の予算でいえば予備費に相当するものが、ここにあります通り、最近ですと4,200億円が計上されています。一方、これらの平均的な使用額は1,600億円程度ですので、その差額分、残りの分については、使途が不分明のまま渡しきりの状態になっているわけでして、計上の適正化が必要ではないかと考えています。
    33ページはまとめですが、端的に申し上げますと、一番上のマルです。財政健全化、納税者への説明責任を果たしていく観点から、地財計画と地方決算との間にPDCAサイクルを回し、地財計画の改善につなげていく必要があるのではないかということです。
    34ページでございますけれども、ここから「自治体間比較を通じた行政経費の抑制・業務改革の推進」についてご説明します。
    35ページは総論なのですが、ここに示したのは、各県の1人当たり総務費・民生費・衛生費をグラフにしたものです。上の枠囲いにも記しましたが、人口規模や年齢構成、面積等々の違いがあって、一概には言えないわけですけれども、例えば、最近ですと、社会保障の分野で1人当たり国民医療費の地域差などについて分析が進められています。これを地方財政の全般にも当てはめて、個々の経費の説明できない地域差を抽出して、行政経費の抑制につなげていくことが重要であろうと考えています。
    36ページをご覧ください。これにつながる取組が始まっておりまして、平成28年度からトップランナー方式が開始されました。これは、実例を申し上げますと、表の一番上ですけれども、学校用務員事務で小学校費とあって、3,707千円と書いてあります。ところが、他の自治体を見ますと、2,927千円で済んでいるところがある。民間委託を行っているわけです。そこで、そのような先進的な自治体、トップランナーの経費水準で基準財政需要額を算定することにして、自治体の業務改革を後押ししようということです。そして、浮いた経費は自治体の財源余力になるという取組です。
    こうした取組も推進しようということなのですが、37ページをご覧いただきますと、現在トップランナー方式が導入されているのは黄色い部分でして、上の枠囲いにあります通り、我々で試算してみたところ、基準財政需要額の3.5%程度となっておりまして、これを見ますと、もう少し黄色い部分を拡げられるのではないかと考えております。
    38ページをご覧ください。上の枠囲いに書いておりますが、トップランナー方式は、23業務が検討対象とされて、29年度では18業務に対して導入予定です。23業務というのは水色とピンク色の部分です。水色の部分が現在導入中の18業務となっております。ところが、当然ですけれども、自治体には業務がたくさんありますので、オレンジ色というのは一例ですけれども、他にも様々な業務があるわけですから、検討対象を23業務に限定せずに、更に他の業務にも拡充していくべきではないかということです。
    39ページをご覧ください。これは東京の町田市の例ですけれども、町田は、八王子や藤沢など、近隣自治体と組みまして、上の枠囲いの2つ目のマルにあります通り、同じ法令に基づき実施しているのですけれども、自治体によってサービスの質や効率性が違う事務について、ベストプラクティスを横展開していこうとしております。この図の赤い字で示されている通り、国民健康保険や介護保険、税、届出など、このような事務についてもコストが違っているということでございますので、こうした取組を全国展開につなげていくことが重要だろうと考えてございます。
    40ページはまとめです。最初のマルですけれども、個々の経費を自治体別に見ると、様々な要因で地域差が存在します。今後は、これを分析して、行政経費の抑制につなげていくことが重要だということです。3つ目のマルがトップランナー方式についてなのですけれども、現在23業務が検討対象ですが、一層の対象の拡充が必要ではないかということを記しております。その上で、4つ目のマルですが、自治体の財政余力と財政健全化の両立という観点から、経費節減により生じた財政余力の一部は赤字地方債等の償還に充てることも重要だと考えており、そのために地財計画への反映を工夫する必要があるだろうということでございます。
    私からの説明は以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 今後の地方財政予算を検討する課題として、自治体の基金残高をどうするか、基金をフローへ転換できないか。それから、地方歳出における特別の枠をどう考えるか。そして最後は、これもまた興味深いのですけれども、社会保障における地域医療構想と同じように、様々な歳出の地域間格差を是正していくことはできないか。その3点を説明いただきました。ご意見がある方は、お願いいたします。末澤委員。
    〔 末澤委員 〕 先程の文教と関連するところがありますので、それと絡めてご説明したいのですが、私は出身が四国でして、先月たまたま新聞を読んでおりましたら、少し驚く記事がありました。高知県の大川村というところで村議会を廃止するという話です。代わりに地方自治法に基づく町村総会を置くということになり、これはスイスの直接選挙制と一緒です。私は、大川村は民主主義をすごく謳歌しているなと思ったのですが、実は実情は全く逆で、議員のなり手がいなくて議会が開設できない可能性があるので、町村総会に変えようという話なのです。要は、人口がどんどん減っている、しかも東京等大都市への人口集中が続いている、これを表しているわけです。
    実は、先程の文教関連のところでいうと、参考資料の9ページをご覧いただきたいのですが、各国の大学規模の比較でも、この一番下にあるのですが、日本の場合は1大学当たり3,600人、イギリスは1万4,200人、フランスは1万6,100人、ドイツは9,500人と、日本は圧倒的に少ないのです。アメリカは日本より少し多い程度なのですが、アメリカの場合は連邦制だということと、人口が増えていることとあわせて考えると、日本は少な過ぎる。これも、要は学生数が減ってきているのです。
    先程の基金の話も同様なのですが、財政力指数と基金の残高を比較した資料が24ページにございました。こちらで見ると、財政力指数が低いということは、基本的には小さいところが多い。ただ、その結果、交付税や補助金が国から来る。これは、結果として、使い切れていない。私は、一律に補助金、交付税を減らすというのは、逆に効率化等のインセンティブをなくすという面で、むしろ先程のトップランナー方式等を見直すことを優先したほうがいいと思うのですけれども、現実的には、人口が少ないという問題もあって、お金を交付してもなかなか使い切れていないのです。要は、先程の大学の話と一緒ですけれども、日本ではどんどん人口減がこれから続く中で、統合することによって、これはつまり市町村にとっては合併することによって、うまく資金を使っていただく、資金が本当に日本全国にうまく再配分できるような環境をつくるのが、今回の基金の問題も含めて、実は中長期的には極めて重要ではないかということでございました。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。角委員、お願いいたします。
    〔 角委員 〕 以前も申し上げましたけれども、東京一極集中が進む中で、東京都の税収はどんどん増えて、ところが地方はなかなか厳しい状況が続くということで、資料の26ページを見ましても、不交付団体が歳出を非常に増やしておられるということは、やはりその他の府県と比べて、例えば子供の医療費の問題を含めましても、様々な形で大きな格差が生じてしまっている。東京都の税収の一部は国へ来て、それを再配分するという仕組みができたのは承知しておりますけれども、このような格差への対処をもっと進めるべきではないのかなと思います。35ページを見ますと、民生費は、府県の人口が多ければ、当然1人当たりの民生費は減りますよね。過疎の県に比べて、それは人口が多いほうが単位当たりは減るに決まっている。ですから、大阪にしても、愛知にしても、神奈川にしても、平均以下です。ところが、東京は平均以上であり、衛生費についてもそうです。同じ日本に生まれながら、住む県によって受ける行政サービスに格差が生じているということであり、これは少しでも是正すべきなのではないかなと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。田中委員、お願いいたします。
    〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私のほうは質問になります。末澤委員が先程ご指摘された24ページになります。ここに、財政力指数の低い団体ほど高い割合で基金残高を保有しているとあるのですが、その原因がどこにあるのかということで、それが自治体の計画立案や予算執行能力にあるのか、それとも人口減少によって事業そのものが減っているのか、どちらが原因になっているのかということを、もし把握されているようであれば、教えていただきたいです。
    〔 泉主計官 〕 各自治体が基金残高を積み上げている行動について、どのような理由によるのかということを、全自治体を対象に包括的に分析したものは承知しておりません。ただ、よく聞きますのは、人口減少が進んでいるので税収の減少が見込まれる、また社会保障経費など増加が見込まれる経費もあるので、それに備えて基金を積んでいる、将来不安に備えて基金の積み上げが行われていると、そのようなことをよく聞くところでございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 では、土居委員、お願いします。
    〔 土居委員 〕 18ページで、先程主計官が説明されたように、まずプライマリーバランスの黒字化に向けて、国と地方がともに手を携えた協力を進めていかなければいけないという中で、まだ国はプライマリーバランスが大きく赤字であり、地方は黒字であるというところはいいですけれども、基金が積み上がっていくということをどのように考えるのかというところが問題なのだと思います。もちろん、来年度予算編成は、まだ目安の最終年が残っているということはあるのですけれども、更にこの18ページでは、2020年度のプライマリーバランスの赤字がまだ大きく残っているということもこれまた宿題として残されているわけですから、それをどのように2019年度、2020年度の予算編成で、この地方財政も含めて考えていくかという意味では、今は議論する上で非常に重要な時期ではないかと思います。
    そのような意味では、22ページにある地方基金残高の内訳でありますけれども、確かに「減債基金」と呼ばれるものは、将来借金を返済するために備え置くという意味では、これは必要と言えば必要ですけれども、ここで一番気をつけるべきことは、「その他特定目的基金」ということであります。場合によってはこれを公共事業に将来使うということで今、積み立てているという可能性があって、そうすると、逆に言えば、お金に余裕があるから、必ずしも国が目標として立てているプライマリーバランスの黒字化などに協力しなくても、我が町、我が村は好きな道路をつくるのだということで基金を積み立てているという可能性が、私は考えられるのではないかと思います。そのようなことは、特に2020年度のプライマリーバランスの黒字化という目標はそう簡単には実現できないかもしれないと心配されている時期でありますから、特定目的基金については、不必要に積み立てるということがないように、ないしはそれがもし資金的な余裕を示しているならば、むしろ地方債の中で借り換えなくてもいいような形で現金償還する、それが債務の返済、債務残高の減少という形で、国と地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化にも寄与することになってくるのではないかと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。冨田委員、お願いします。
    〔 冨田委員 〕 昨年秋の建議では、地方財政計画額が決算を年平均で1年間1兆円ずつ上回っており、また、基金の残高も毎年、1年間で1兆円ずつ増えているというお話がございました。ですから、決算が計画よりも少ない分、基金の増加につながっているという指摘でございました。今回は、更にそこから話が進められていて、なかなか審議会の方向性としても建設的なものだと私は思います。
    その中身についてですけれども、無駄遣いに比べると、基金がたまっていることは悪くは見えなさそうだということでしょうが、しかし、本当に必要とする金額を超える財源保障が国によって行われているとすれば、そして地方に移転されているとすれば、それが歳出効率化のインセンティブをそぎまして、地方の構造改革を抑制することにもなりましょうし、そしてそれが基金残高の増加につながっているとすれば、大きな問題であります。更に、この基金の増加がきちんとした手順でなされているかどうかということは、もっと大きな問題だと私は思います。
    22ページに、先程土居先生が言われたところですけれども、地方基金が3つに区分されております。減債基金ですけれども、21ページにありますように、この表の一番下で、地方債の利子及び元金償還金、これは、ここにある法律で示されているように、見込額は地方財政計画に計上されて、国によって財源保障がなされるわけです。そうすると、本当に減債基金なるものが必要なのかどうかということになります。国の国債整理基金、これは国債であり、今議論しております地方交付税制度を通じた地方債の信用維持ということにとって絶対必要なものなのですけれども、本当に地方の減債基金は必要なのでしょうかということが一つ指摘できます。
    それから、財政調整基金は、年度間の不均衡をならすために必要だと地方財政白書には書かれております。もしそうだとすれば、ここにあるように、傾向的に増加を続けているというのはいかがなものか、どう説明するのかということが問題です。
    それから、その他特定目的基金は、毎年の地方財政計画、つまり地方交付税を算定するための概算要求と言いますか、要求根拠とされます地方財政計画に適切に計上されて、そこで査定された結果としての特定目的資金なのかどうかということが分かりませんので、もしご案内ならば、教えていただきたいと思います。
    それから、24ページのところで、先程何度も議論がございましたが、まず財政力指数が低い団体については、歳出財源のほとんどを交付税に依存しているわけです。そうすると、やはり交付税が適切に配られていないことが、基金の増加に大きくつながっているのではないかと類推せざるを得ません。
    それからまた、2番目のマルのところに書いてありますけれども、最近、税収が極めて大きい等の理由から基金残高が100%以上の団体が増加しているということを考えると、これは、地方財政計画に計上された地方税が計画を上回って増加した場合に、その精算が適切になされていない、これもこれまで指摘したことですけれども、そうした精算制度がないことが問題なのではないかということであります。地方税収の上振れ分の精算制度が未整備であるということが問題です。そのことが原因で、26ページにあるように、不交付団体の歳出額が増えている。ですから、増えている原因は、地方税収の上振れ分の精算制度に原因があるのではないかと類推されます。
    このように考えると、地方財政計画における基金の増加ということは、まさに地方財政についてのPDCAサイクルが全く欠如していることに他ならないことを示すものだと思います。ここにも書かれていますけれども、私なりの表現をいたしますと、地方交付税の要求根拠といったことも、他の主要経費の要求と同様に、適切に個々の項目についての積算根拠をもって示していただきたいと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 では増田委員、それから宮島委員、秋池委員。
    〔 増田委員 〕 この基金ですが、結局、県になるともう少し財政体力があるから別でしょうけれども、市町村、特に中堅以下の市町村にとってみると、財政の体力がない。暮れに国の予算編成で大体地財計画の総額が決まって、1月下旬から2月辺りに個々の市町村に4月からの地方交付税額がどの程度になるかという連絡が来るのです。ですから、予見可能性が乏しい。私は、3年程の歳入見通しが、ある程度、漠とでもいいので分かるような仕組みにしておかないと、良心的な首長なら、将来不安が出てくるとどうしても基金に積むような行動になりがちであり、歳入見通しがつけられるような制度上の工夫をしないといけないのではないかと思います。基金残高だけを問題にするというわけでは決してないと思いますが、基金残高だけに目を光らせていくと、無理な歳出にどうしてもつながっていってしまうわけです。基金についても、財政調整基金なのか、減債基金なのか、特定目的基金なのか、先程少し話がありましたが、以前は庁舎の建て替えなどで特定目的基金を多額に積んでいたところもあったのですが、適切に目的が決められているものを誠実に積むということをすると同時に、ある程度歳入の見通しをつけさせるようにすることが必要だと思います。
    この基金より更に問題になるのは、臨時財政対策債です。最近、額は減ってきましたけれども、これが財政の規律を相当程度に緩ませています。大きな問題なので、なかなか整理しづらいところではありますけれども、これは地方債とは別に、後で、国から補填されるということで、住民に、借金とは説明していない自治体も相当数あると思います。ですから、そういったことが財政規律全体を緩ませているので、臨時財政対策債の問題も、臨時と言いながらも相当続いていますから、手をつけなければいけない問題だと思います。
    私が申し上げたいのは、自治体を擁護するという意図はなくて、全体を通じて地方財政の「見える化」を適切に進めるということが必要だと思っております。最後のほうに自治体の地域差を見るための各県ごとの数字が出ておりました。社会保障ではその地域差半減ということで、疾病ごと、それから医療だけではなくて介護についても地域間の認定の差など、今様々な形でそのような地域差を出して、その地域差半減に努力しているわけです。地方財政についても、こういった材料・資料があれば、しっかりと財政のことを考える首長はそれを使って様々な形でコントロールするはずですから、全体として「見える化」を進めていくということは、私は大賛成でありますし、そのために様々な指摘をしていくということは、私は大いにしていくべきだろうと思います。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。宮島委員。
    〔 宮島委員 〕 ありがとうございます。今、増田委員がおっしゃったように、地方財政については徹底的な「見える化」等、そのお金がどこから来ているかという点を含めて、分かりやすく、住民がコストの痛みとその効果のバランスを適切に実感して検証できるようにすることが必要だと思います。自治体の具体策で、国がどこまで手を出せるのかという問題はあるのですけれども、具体的に1点、子供の医療費の無料化が拡大していっているということには問題意識を持っています。
    私は、前回も発言しましたように、子育てや家族支援については、最優先で必要だと思っています。女性活躍のかけ声はあっても、職場や子育ての環境を見ると、働きながら子供を産むことに関しては、まだ相当な決心が必要ですので、一部の障害でも子供を諦めるきっかけになってしまわないように、みんなで次世代を育てようという支援は更に必要だと思います。でも、その立場の私から見ても、中学生や高校生までの医療費無償化は、医療政策との関係において弊害が出ていると実感しています。子供が小さいうちの無料化は本当に賛成なのですけれども、中学生が手ぶらで病院に行って、医療は無料だと思ってしまいます。高校や大学に進学して、「ええっ、こんなにかかるの」となります。無料だから、湿布を張っておけばいいと思える部活の打撲でも、すぐに病院にという癖がつきます。本当に、これからの医療費の「見える化」という流れの中で、むしろこの悪い影響を考えますと、子育て世帯の大きな負担になってはいけないと思いますけれども、低額でも歯止めがあったほうが安全なのではないかと思います。これは自治体の施策ですから、本当に直接に口を出せないことは承知しつつも、一体この財源がどこから来ているのか、どこまで必要なのかということを、総額を縛る以外の形で徹底的に住民の意識も高める方策が必要なのだと思います。そのような中では、自治体の比較検証といったことも重視していく必要があると思います。
    あと、先程の教育の部分で、誰でも無償化、どこでも無償化といったところは、本当に皆さんのおっしゃるように適切ではないと思います。ただ1点、教育費の負担というものが子供を持たないという選択にもつながりかねないという現状の中では、メッセージとして、「低所得でも、頑張る子は支えるよ、何とかなるよ」といったメッセージはやはり伝えたいと思いますし、子供が付加価値をつけることができる、あるいは社会が付加価値をつけることができるような特定の領域においては、しっかりとお金を使って効果的にやるということは必要だと思います。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。では、秋池委員、お願いします。
    〔 秋池委員 〕 民間に委託すると経費の水準が下がるという話が36ページにありました。これは結構おもしろいと言いますか、事業性がなければ、民間は基本的には受託しないわけですから、利益を乗せた上でも経費が下がるということが存在していることを考えますと、もちろん地方の特性に配慮するということは非常に重要ですが、歳出の効率化が念頭に置かれた計画の適正化ということがなされる必要があると思っています。
    そのためには、減らすインセンティブというのが今は働きにくい制度になっているわけですけれども、先程増田先生がおっしゃいましたように、3年程度の歳入見通しがあるということも、自立的に歳出を減らしていけば、その分をまた活用できるとか、そういったことも含めまして、民間にもそのような手法がたくさんありますので、それらを活用することも重要かと思います。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。
    引き続き3番目のテーマとして、社会資本整備について、中山主計官より説明をいただいて、議論をしていきたいと思います。
    〔 中山主計官 〕 「資料3 社会資本整備」に基づいて説明いたします。
    1ページを、おめくりください。目次がございます。構成は、まず現状と、今後の水準を考える上での留意点についてご説明させていただいた上で、成長戦略の中で重要性が高まっております生産性向上に向けた中長期的課題を4点整理させていただきました。
    まず2ページでございます。最近の状況でございますが、左側のグラフをご覧いただきます通り、当初予算は、これは青で示しておりますが、目安を踏まえまして安定的に推移させると同時に、災害や経済状況等を踏まえまして、補正予算で機動的な対応を行っております。
    平成28年度は、3次にわたる補正予算がございまして、1.6兆円の追加を行いました。この主な内容は右下でございますが、昨年の特徴といたしまして、熊本地震、あと北海道を初めとする豪雨対策、これらの関係として災害対応で1兆円程度の追加があったのが特徴的だと考えてございます。
    今後の水準を考える上での留意点を3点整理いたしました。次の3ページをご覧ください。
    まず1点目は、公共事業の投資効率が低下している傾向にあるという点でございます。これまでもご説明しております通り、整備水準は上がってきておりまして、内閣府の試算でも、左下でございますが、限界的な生産性が低下傾向にあるということが示されております。
    実は先月4月13日にOECDが対日経済審査報告書を発表しておりまして、この中に出ている資料を右方に整理しております。グラフの上の段は、縦軸に公共投資が歳出に占める割合、横軸に社会資本ストックの水準、これは対潜在GDP比で国際比較をしたものでございます。これを見ますと、日本の水準はかなり高い水準に来ていることが示されておりまして、このクロスカントリーデータをベースにした社会資本ストックの潜在成長率に与える影響を分析したものが下の段でございますが、日本の水準に当てはめますと、追加的な公共投資が潜在GDPに対してマイナスの影響を与えているという可能性が指摘されているところでございます。95%信頼区間で見ましても、プラスの領域に出ているのはわずかでございまして、一つの解釈といたしまして、相当程度に重点化を図っていく必要があるのではないかと考えてございます。
    2つ目の点は、4ページでございますが、人手不足の状況でございます。左側にありますように、技能労働者は減少傾向にありまして、一方、足下の有効求人倍率は、建設業を見ますと、介護関係を上回って、非常にタイトな状況にございます。今後とも、高齢化の進展に伴ってこの状況は高まっていく可能性があるかと考えてございます。
    これと関連いたしますが、5ページにある留意点の3点目でございますが、今、政府を上げて取り組んでおります働き方改革の影響でございます。建設労働者の中でも、働き方改革は重要な課題と考えておりまして、週休2日制の一般化、あと残業時間規制の一般適用につきましても、検討が進められているところでございます。こういった状況を踏まえますと、更に労働需給がタイト化することが見込まれている中で、i-Constructionなどによる生産性の向上が不可欠の課題になっていると思いますし、またこのような点を踏まえましても、公共事業の量の拡大自体が成長戦略になるといった状況にはないと考えられるのではないかと思っております。
    続きまして、秋の建議の反映状況でございますが、ポイントのみご説明させていただきます。7ページをご覧ください。「コンパクト・プラス・ネットワーク」の推進でございますが、昨年秋の財審でのご指摘を踏まえまして、真ん中の段にございますが、地域の医療・福祉政策との連携を要件化するとともに、商業系の誘導施設は交付金の対象から外すなど、重点化を図っております。今後は、各自治体から出た計画のピアレビューを行うなどして、計画の質の向上を図っていきたいと考えております。
    8ページは、民間活用やPFIの推進でございます。先行しております空港のコンセッションにつきまして、秋の財審では仙台空港を例に、運営権対価の適切な評価等、バリュー・フォー・マネーの最大化に向けた方針の検討を提言いただいたところでございます。現在、高松空港、そして今後予定されております福岡空港につきましても、そのような方針に沿って検討を進めているところで、運営権対価の引上げ、あと収益連動型負担金の導入等を進めていきたいと考えてございます。
    9ページは、既存ストックの有効活用の一環として、高速道路料金についてご審議いただきました。これを受けまして、近畿圏の高速道路網につきまして、対距離制の料金体系の導入について、昨年12月に方針を示し、本年3月末に事業認可をしたところでございます。これまで整備主体に応じてバラバラであった料金体系を、29年6月3日から料金の整備・統一を図ることといたしております。あわせまして、経済界等のご理解を得つつ、下の段にありますように、全体として料金水準を首都高よりも少し高めに設定させていただきまして、ボトルネックになっております淀川左岸線、あと大阪湾岸道路の神戸線の整備加速を、利用者負担の考え方に則って推進していきたいと考えてございます。
    10ページは、港湾のストック活用でございますが、今回、港湾法を改正いたしまして、旅客ターミナルへ民間資金を投じたクルーズ船社に岸壁の優先使用を認める仕組みの導入を図っていきたいと考えておりまして、まずは6港を指定したところですが、財審の指摘を踏まえまして、重点的な支援について更に進めていきたいと考えております。
    11ページは、公共事業の施工時期の平準化でございます。これにつきましては、平成29年度予算におきまして、国庫債務負担行為を活用いたしまして、平準化に一段の取組を推進したところでございまして、今後、効果を見きわめて、平準化を実現していきたいと考えてございます。
    12ページは、安全・安心対策の中で、ハード対策とソフト対策の適切な組み合わせについてご提言いただきました。これを踏まえまして、ダム再開発事業と操作規則の見直しをセットで行う方針で、この夏までに「ダム再生ビジョン」を取りまとめていきたいと考えてございます。
    続きまして、13ページ目から、生産性向上に向けた中長期的課題につきまして、4点整理させていただきました。
    まず、事業評価の厳格化ということで、砂防事業を挙げさせていただいております。最近の地震・豪雨の激甚化等を受けまして重点的な対応が必要になっておりますが、従来の事業を見てみますと、着手から60年以上も経過している事業も約半分を占めているような状況にございます。今後重点的に整備を進めていくに当たりまして、このような事業期間が長くなっているものについては、適切に見直しを進めていくべきだと考えてございます。
    15ページからは、受益者負担の原則の徹底と民間活用の推進ということで、下水道事業を例に挙げさせていただきました。左側をご覧いただきますと、上水道と比べますと、利用者負担の原則に則った財源構成になっていないことが一目瞭然でございます。国費への依存がかなり高くなっているということでございます。
    この点につきましては、昨年の春の財審でもご審議いただきまして、16ページでございますが、これを受けまして、改築更新費用を使用料に算入できるようガイドラインを改正する、あるいは公営企業会計の導入を改めて要請する等の取組を行ってまいりました。今後こういった環境が整ってきますと、更に取組を一歩進めて、国費の支援の在り方についても重点化を進めていきたいと考えてございます。
    あわせて民間活用という視点で、浜松市でコンセッションの導入が決定されたところでございます。結果を見ますと、17ページ左側でございますが、運営権対価が25億円で、コスト削減効果が現在価値換算後の値で約86億円と効果が見込まれております。これは地方財政にとってもプラスでございますので、このような取組が進むよう環境整備を進めていくべきだと考えております。
    3点目は、既存ストックを最大限活用した最適な交通ネットワークの構築という視点でございます。道路・空港・港湾・鉄道につきまして、大きく3点について整理いたしました。
    1点目は、道路料金の活用でございます。先程ご説明しました通り、首都圏に続きまして、近畿圏でも料金体系の見直しを進めたところでございます。こうした成果あるいは諸外国の例を参考にしながら、今後は都市間の交通ネットワークについても料金体系の在り方を検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。具体例といたしまして大阪・名古屋間を入れておりますが、大きく3つルートがあり、1つが無料になっているという状況の中で、大型車が集中する、あるいは有料・無料区間の間で渋滞が生じているという問題が生じておりますので、最適な料金体系について改めて検討すべきではないかと考えてございます。
    19ページは、空港と港湾の連携ということで、これは具体例といたしまして沖縄を挙げております。右下の絵を見ていただくと分かりやすいのですが、那覇空港と那覇港は、航路がバッティングしているという問題がございます。当面は、運用の見直しで改善を図るとともに、長期的には第2滑走路に合わせて、その両方のストックが最大限効果を発揮できるような運用について今、調整を進めているところでございます。こうした複数事業間の連携によって、既存ストックの効用を高める取組を更に進めるべきだと考えてございます。
    最後に鉄道ということで、整備新幹線の進捗状況をご報告させていただきます。これにつきましては、本年3月に与党におきまして、北陸新幹線の敦賀以西の新大阪までのルートが決定されたところでございます。右側にございますように、概算で建設費は2兆1,000億円、下の段にありますように、B/Cが1.05と、若干1を上回る水準で試算されているところでございます。今後につきましては、この与党での決定を受けまして、政府におきましてルートの詳細な調査を2年程度かけて行い、調査を受けて環境アセスメントに4年程度かかった上で、政府与党として具体的に事業に着工するか否かを決定するというプロセスに入ります。
    21ページに簡単な整備新幹線事業のスキームを書いておりますが、上下分離で施設の建設・保有を公共事業方式で整備した上で、JR各社に施設を貸し付ける形になります。この貸付料は財源としてカウントし、不足分につきましては、国と地方で負担するという構成でございます。着工に当たりましては、下の段にあります通り、5条件を確認した上で、全て確認された場合のみ着工するということになります。
    この今後の検討に当たっての留意点を3点整理させていただきました。23ページをご覧ください。1点目は、新規投資にあたっての費用便益分析の徹底ということで、費用の精査が重要ではないかと考えております。過去の整備新幹線の水準を見ますと、事業費は上振れしておりますので、今回、現時点でB/Cが1.05という水準でございますので、上振れがないよう、慎重な見積もりが必要だと考えております。
    2点目は、民間資金の最大限の活用ということでございます。整備新幹線に当てはめますと、貸付料の活用ということになろうかと思っております。これまで貸付料算定の前提となります需要見通しは実績を下回っているという状況もございますので、まずは貸付料を最大限確保すべく検討するべきだと考えております。
    25ページ、最後は既存ストックを最大限活用した最適な交通ネットワークの検討ということで、鉄道に関しましては、リニアやフリーゲージトレインの研究が進められております。一例といたしまして、現状では新幹線の運行システムは大きく2系統に分断されているところでございますが、長期的な視点に立った運用が必要かと考えてございます。
    最後に、26ページは入札制度改革についてご報告させていただきます。本件につきましては、過去の談合事件を受けまして、一般競争入札方式の導入、罰則の強化等、国として取組を進めてまいりました。現状を分析いたしますと、27ページでございますが、まだ地方において取組が遅れているところが散見されます。例えば、予定価格の公表に関しては、依然として事前公表としている自治体が3割程度あるという状況でございます。また、一者応札につきましても、国・地方におきまして、まだ高い水準で散見されるという状況でございます。
    こうした状況を踏まえまして、28ページに「今後の更なる改善の方向性」として記載させていただいておりますが、地方公共団体につきましては、先程もご指摘がありましたように、「見える化」をしっかり進めた上で、取組を進めるべきと考えておりますし、また一者応札につきましては、適切にPDCAを推進して改善を図っていくべきと考えております。あわせて、生産性向上・コスト縮減効果が最大限発揮されるような入札の在り方についても検討を進めていきたいと考えております。
    以上でございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 では、ご質問・ご意見をお願いします。老川委員、それから冨山委員、お願いします。
    〔 老川委員 〕 ありがとうございます。1点だけ申し上げたいと思います。4ページに人手不足の問題が出ていまして、これは現実にそうだということだと思うのですが、先程の文教政策の内容とも関係しますけれども、高等教育の無償化のようなことを言うよりも、それも大事だとしても、このような職業教育にもう少しお金をかけるという方が、僕はよっぽどお金の効率的な使い方になると思います。特に、お話にもありましたように、i-Constructionであるとか、要するにこのような建設現場などのような領域でも、ITなどの高等技術を要する職種が増えてきていますので、そのような領域の環境整備にこそ僕はお金を使うべきではないのかなと思いますので、一言だけ申し上げたいと思います。
    〔 冨山委員 〕 それと少しつながる話なのですが、3ページに公共事業の投資効率の低下という話があります。私は今、インフラメンテナンス国民会議というものの会長とi-Constructionの委員をやっておりまして、かつ東北地方でバス会社をやっているので、その実感で申し上げると、実はこの公共事業の領域における経済成長余地というものは、老川先生が言われたように、ここでどれだけ賃金を上げられるかにかかっていると思います。要は、猛烈な数の人がこの雇用に張りついていまして、特に地方に行くと、これが基幹産業ですから、ここでの生産性と賃金を上げられるかどうかまで含めて計算すると、私は、日本は生産性が低いので、実はそこにまだ経済成長の貢献余地があると思っています。ですから、それを入れると、マイナスよりむしろプラスになるチャンスがあると思っているので、実はこの領域においてはその意識を持っていただくことのほうが日本の経済成長にとってはプラスになるような気がします。この計算方法は少し分からないのですが、私自身はそのようなマージンと言いますか、チャンスがあるような実感を持っております。
    以上です。
    〔 田近分科会長代理 〕 角委員。
    〔 角委員 〕 空港について民間資金への収益連動型負担金を入れていただいたのは非常にありがたかったと思いますけれども、鉄道についても同じことが言えると思います。我々は北大阪急行を延伸する際に、国、自治体、及び北急で投資を分担しますけれども、その際にどうしても民間は需要予測が若干保守的になりますので、実際に運行して増加した部分については、箕面市にその増加分の一部を納入する。その箕面市は受けたお金で都市交通政策に充てるという条件つきで一応決めました。ですから、鉄道についても、30年間貸付料が一定というのはいかにも少し非現実的かなと思いますので、もちろんそれでトントンであれば何の問題もないのですけれども、収益が上振ればそれに連動して貸付料が上がるという形をとっていただければ、更に必要な公共投資が進むのではないかと思います。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。田中委員。
    〔 田中委員 〕 私はこの分野は素人なのですけれども、素朴によく分からない点がありまして、20ページと25ページなのですが、タイトルが「既存ストックを最大限活用した最適な交通ネットワークの構築」となっているのですけれども、これを拝見すると、ルートが与党で決められたということなのですが、25ページを拝見すると、この京都・新大阪間にはもうかなりの既存ストックがあるということで、なぜこれを新たにつくられるのかというのが素朴によく分からないということが疑問に思ったところでございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 では、中山主計官。
    〔 中山主計官 〕 北陸新幹線につきまして、既に計画の中で最終的な終点といたしまして大阪ということが指定されておりまして、今回、敦賀まで整備されて、敦賀から先のルートとして、大阪のこのルートが与党において決定されたということでございます。先程もご説明申しあげましたので、実際にそれを着工するか否かにつきましては、今後着工5条件を確認した上で、条件を全てクリアした場合に着工を決定するということで、その中でいわゆるB/C、これは既存ストックをどのように読み込むのかによっても出てくる姿は違ってまいりますので、そういった箇所を適切に今回の指摘を踏まえて精査していくべきだと考えてございます。
    〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。
    今回で総論・各論の議論を終わりにしまして、次回以降は春の審議の報告書である建議の起草に入っていきます。皆さんのご意見をできるだけ反映させたいということで、本日は席上に、ご欠席の赤井委員、伊藤委員、岡本委員、神津委員、中空委員からいただいた意見書を置いてあります。
    建議を起草していただく委員については、これまでお願いしています小林毅委員、土居委員、冨田委員、中空委員、そして吉川委員の5名にお願いしたいと思いますが、この点はよろしいですか。
    (「異議なし」の声あり)
    〔 田近分科会長代理 〕 では、この5名の委員と私とで起草させていただきたいと思います。
    起草委員になられる皆さんには、非常にタイトなスケジュールで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
    次回は、5月17日水曜日15時から、建議案について皆さんに議論していただくという運びでおります。
    本日の議題は以上です。この後の記者会見で本日の議論を私から説明させていただきます。
    ありがとうございました。
    午後3時35分閉会


    | author : 山龍 | 12:00 AM |