アーティザン「匠」 - 山龍作品に見る職人技の妙

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140の楽器が奏でる協奏曲

染めには様々な技法がありますが、必要な部分以外に染料や顔料が付かないようにする(染まらないようにする)技法を防染といいます。染料を付けない部分を、糊や蝋で覆ったり、糸でくくったり(絞り)、板で締めるなどの方法がありますが、ここでは、防染糊(ぼうせんのり)と型紙を使った、伊勢型染めを紹介します。

江戸小紋(えどこもん)
十六菊を彫った、人間国宝・六谷紀久男氏作の型紙で染めた江戸小紋

十六菊を彫った、人間国宝・六谷紀久男氏作の型紙で染めた江戸小紋。

防虫のために柿渋をしみ込ませた地紙に細かな柄を彫った伊勢型紙

防虫のために柿渋をしみ込ませた地紙に細かな柄を彫った伊勢型紙。あまりに細かすぎて遠目にはわかりにくいため、画像はかなり拡大してある。

伊勢型小紋というのは、伊勢型紙を使って染めた、一般的に『江戸小紋』と呼ばれているものです。細かな柄を彫った伊勢型紙を生地にのせ、型紙の上から目糊(めのり)というもち米で作られた防染糊をへらでかいていきます。型紙の柄目から糊が生地に付着し、糊で伏せた部分だけ染料が入らず、生地の白が柄として出てくるわけです。

伊勢型紙は、三重県の白子町で作られる精巧な型紙。B4サイズぐらいの美濃和紙を張り合わせた厚紙に柿渋をしみ込ませた地紙に、彫刻職人が柄を彫り込んでいきます。その細かさは、腕の良い職人になると、3センチ四方に800〜1200粒の模様群を彫ると言われています。また、『一彫(ひとぼり)』と言って、1度に8枚ぐらいの地紙を重ねて彫るので、熟練した高度な技術と忍耐が必要な作業です。

江戸小紋は、その名のとおり、江戸時代に武士の裃(かみしも)の染め柄として、急速に発達しました。あまりに細かいので、遠目にはグレーの無地に見えますが、柄には趣向がこらしてあり、青海波(せいかいは)、麻の実など、代表的な柄がたくさんあります。

※写真をクリックすると、拡大画像がご覧いただけます。


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