アーティザン「匠」 - 山龍作品に見る職人技の妙

140の楽器が奏でる協奏曲

刺繍

染織の歴史では、最初に植物の蔓や綿花から糸が出来あがり、その糸を使って織物が出来、出来上がった織物を染めるという工程進化論が通説としてあります。しかし山龍は、最初に刺繍があったのではないかと考えます。

コーランの表紙は鮫の革に刺繍がされています。日本に最初に伝わったとされる刺繍は繍仏(ぬいぶつ)と言われる、仏を刺繍したものでした。思いや祈りを念じ、木の皮や動物の革のように丈夫なものに刺繍で祈りや信仰を表現することから染織は始まったと考える方が、製造工程順に進化したと考えるより、人間本来の営みを感じます。

山龍の刺繍作品は、一点一点が手作りの一点モノ。一点一点に思いがこもっています。


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