アート「優雅」 - 染織家山龍の着物・帯作品集

創造

本綴織着物・潮さい

(ほんつづれおりきもの・しおさい)

本綴織着物・潮さい恐らく日本で初めての、本綴織りで織られた着物です。帯では一般的な本綴織りですが、織物の中でもいちばん高度な技術を必要とし、帯でさえ最低3か月という手間のかかる技法なので、着物の世界でチャレンジする者は、これまで誰もいませんでした。本綴れ織りの魅力は、全ての織物の組織の中で、生地の表面上にいちばん経糸(たていと)の露出が少なく、緯糸(よこいと)の色をハッキリと出せるところにあります。

その特性を生かし、使用したのは、着物や帯、刺繍などに使われた様々な種類と色の残糸。色の組み合わせを考えるのに約半年、織り上げるのに半年の製作期間がかかっています。都会の並木を渡る風や、空、葉や枝、新芽を80数色のグラデーションで表現しました。色をランダムに交互に入れることにより陰影がつき、横段の縞が立体的に見えるのが特徴です。

(写真)本綴織りで織ることにより、横糸の色合いのイメージ通りの縞を表現し、敢えて残糸を使うことで、独特の風合いが生まれた、工芸品としての評価の高い作品です。アップで見ると、何色もの糸が交互に織り込まれているのがよくわかります。

※写真をクリックすると、拡大画像がご覧いただけます。


切裂帯・竹に鶴文様

(きりばみおび・たけにつるもんよう)

切裂帯・竹に鶴文様柄の部分を切り抜き、そこに違う布をはめ込み縫い合わすことにより、その風合いや素材感の違いで絵柄を表現する技法が『切裂(きりばみ)』です。もともと茶道の茶碗や棗を包む巾着などから始まったものですが、通人により、帯や着物としても珍重されてきました。しかし、繊細な柄の型紙を正確に取り、厚みや伸縮率の違う布をシワもなくぴったりと継ぎ合わせる技術はかなり高度で、職人も5人ほどしかいません。

現在、『切裂』の作品を作っているのは山龍だけで、この『竹に鶴文様』の帯は、山龍の飽くなき創作意欲と、最高の職人の手による傑作と言えます。

(写真)本綴織りで織ることにより、横糸の色合いのイメージ通りの縞を表現し、敢えて残糸を使うことで、独特の風合いが生まれた、工芸品としての評価の高い作品です。アップで見ると、何色もの糸が交互に織り込まれているのがよくわかります。

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本金畔織色駒刺繍袋帯・復原重文雲竜襖絵

(ほんきんあぜおりいろこまししゅう・ふくげんじゅうぶんうんりゅうふすまえ)

本金畔織色駒刺繍袋帯・復原重文雲竜襖絵金糸織り地に、同じく金糸を使った“色駒刺繍”で、重要無形文化財である妙心寺の襖絵『雲竜図』を描いた袋帯です。山龍作品の『復元シリーズ』の代表作。“金駒刺繍”の綴糸(とじいと)の色を変えることにより、よりニュアンスのある表現をする“色駒刺繍”は、山龍独自の技法です。非常に手間がかかり、仕上げるだけで1年かかっています。また普通、織り地の縦糸には金糸を使用しませんが、この作品は、横糸だけでなく縦糸にも金糸を使用しているので、99%以上本金製という豪華な作品でもあります。


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